予定利率とは?保険料への影響と2025年以降の引き上げ動向をわかりやすく解説
「予定利率が上がると保険料が安くなると聞いたが、どういう仕組みなのか」「日本生命が約40年ぶりに予定利率を引き上げたニュースは、自分の保険にも関係があるのか」――生命保険の加入や見直しを検討するとき、「予定利率」という言葉を目にする機会が増えています。
予定利率とは、生命保険会社が保険料を計算する際に、将来の運用収益としてあらかじめ見込む利率です。
予定利率によって見込まれる運用収益は、契約者が負担する保険料からあらかじめ差し引かれています。そのため、ほかの計算条件が同じであれば、予定利率が高いほど保険料は低くなり、予定利率が低いほど保険料は高くなるのが基本的な関係です。
ただし、予定利率は、銀行預金の金利や投資商品の期待利回りとは異なります。契約者が予定利率と同じ割合の運用益を直接受け取れるわけではなく、保険料や保険金、年金額、解約返戻金などを計算するために使われる基礎率の一つです。
2025年1月には、日本生命が契約日2025年1月2日以後となる一部の個人保険・個人年金保険について、約40年ぶりに予定利率を引き上げました。金利環境の変化を受け、生命保険各社では一時払商品や平準払商品などの利率を見直す動きがみられます。
もっとも、予定利率が引き上げられたからといって、すべての保険商品の保険料が一律に安くなるわけではありません。予定死亡率、予定事業費率、保障内容、契約年齢なども保険料に影響するため、実際の有利・不利は商品設計書で比較する必要があります。
この記事では、予定利率の仕組み、保険料を計算する3つの予定基礎率、標準利率との違い、影響を受けやすい保険、既存契約への影響、予定利率上昇局面で保険を見直す際の注意点を解説します。
| 確認したいポイント | 結論 | 詳細 |
|---|---|---|
| 予定利率とは何か? | 将来の運用収益を見込んで保険料を計算するための利率 | 予定死亡率・予定事業費率と並ぶ、保険料計算の基礎となる予定率の一つです。 |
| 予定利率が上がるとどうなる? | ほかの条件が同じなら保険料を抑える方向に働く | 運用収益を多く見込める分、契約者が負担する保険料を割り引けるためです。 |
| 予定利率はどう決まる? | 市場金利や運用環境などを踏まえ、保険会社が商品ごとに設定する | 責任準備金計算に用いる標準利率は参考要素の一つですが、予定利率と同じものではありません。 |
| 影響を受けやすい保険は? | 終身保険・養老保険・個人年金保険・学資保険など | 保険料を長期にわたって積み立てて運用する貯蓄性商品ほど影響が大きくなる傾向があります。 |
| 2025年以降の動向は? | 一部の保険会社・商品で予定利率を引き上げる動きがある | 日本生命も2025年1月から一部商品の予定利率を約40年ぶりに引き上げました。 |
| 既存契約にも影響する? | 固定された予定利率は原則として契約時のまま | 新契約の利率が上がっても、既契約の保険料や返戻率が自動的に変更されるわけではありません。 |
| 銀行金利との違いは? | 予定利率は保険料計算の基礎率、預金金利は預金に付く利息率 | 予定利率だけを見て、銀行預金や投資商品の利回りと直接比較することはできません。 |
| 今は保険の見直しどき? | 新規加入の比較材料にはなるが、既契約の安易な解約は避ける | 年齢上昇、健康状態、解約控除、旧契約の高い予定利率なども含めて判断します。 |
この記事でわかること
- 予定利率の意味と保険料が安くなる仕組み
- 保険料を計算する3つの予定基礎率
- 予定利率と銀行預金の金利との違い
- 予定利率と標準利率の関係
- 予定利率の影響を受けやすい保険・受けにくい保険
- 2025年以降の予定利率引上げの動向
- 既存契約を見直す前に確認したい注意点
\ 保険の見直しや新規加入、プロに相談しませんか? /
予定利率が上がっていても、今の保険を解約して入り直したほうが有利とは限りません。現在の契約と新しい商品の保険料・保障・解約返戻金を、専門スタッフが一緒に比較します。
予定利率とは?保険料を計算する基礎率
予定利率とは、生命保険会社が保険料を計算する際に、将来の運用収益としてあらかじめ見込む利率です。
生命保険会社は、契約者から受け取った保険料の一部を責任準備金として積み立て、将来の保険金・給付金・年金などの支払いに備えて運用します。
保険会社が一定の運用収益を見込めるのであれば、将来支払う保険金の全額を、契約者が支払う保険料だけで準備する必要はありません。
運用によって得られると見込む収益分を保険料からあらかじめ割り引くため、予定利率が高いほど保険料を低く設定しやすくなります。
予定利率は契約者に支払われる利息ではない
予定利率が年1%であっても、契約者が支払った保険料全体に対して毎年1%の利息が付き、その金額を自由に引き出せるわけではありません。
保険料には、将来の保険金に備える部分だけでなく、保険会社の運営費用や保障に必要な費用なども含まれています。
したがって、予定利率と実際の返戻率は一致しません。
保険商品の有利・不利を比較するときは、予定利率だけではなく、次の金額を確認する必要があります。
- 毎月または毎年の保険料
- 保険料の払込総額
- 死亡保険金・満期保険金
- 将来受け取る年金額
- 各年の解約返戻金
- 返戻率
- 保険料払込期間
予定利率は契約時に固定される商品が多い
円建ての終身保険や養老保険などでは、契約時の予定利率を基に保険料や保険金額が決まり、その計算基礎が契約期間中継続する商品が一般的です。
その後に市場金利が下がっても、保険会社が既存契約の予定利率を一方的に下げ、保険料を自由に値上げできるわけではありません。
一方、積立利率変動型保険、市場価格調整を備えた保険、外貨建て保険などでは、契約後も一定の利率が変動する商品があります。
商品名に「予定利率」「積立利率」「基準利率」「保証利率」など複数の言葉が使われるため、それぞれがどの金額に適用されるのかを確認しましょう。
保険料を決める3つの予定基礎率
生命保険の保険料は、主に次の3つの予定率を基に計算されます。
- 予定死亡率
- 予定利率
- 予定事業費率
これらはまとめて「予定基礎率」などと呼ばれます。
予定死亡率
予定死亡率とは、統計に基づいて、性別や年齢などに応じた将来の死亡者数を見込むための割合です。
死亡保険では、死亡する人が多いと見込まれるほど、保険会社が支払う死亡保険金も多くなるため、保険料を高くする方向に働きます。
医療保険やがん保険では、死亡率だけでなく、入院率、手術率、疾病発生率などの商品に応じた基礎率も使用されます。
予定利率
予定利率は、保険料を運用することで得られると見込む収益を、あらかじめ保険料計算へ反映するものです。
ほかの条件が同じであれば、予定利率が高くなるほど保険料は低くなる方向に働きます。
予定事業費率
予定事業費率とは、保険会社が契約の募集・維持・管理を行うために必要となる経費を見込む割合です。
主な事業費には、次のようなものがあります。
- 契約の募集にかかる費用
- 保険証券や各種書類の作成費用
- 保険料収納・契約管理の費用
- 保険金・給付金支払事務の費用
- 人件費・システム費
予定事業費率が高いほど、保険料も高くなる方向に働きます。
予定利率だけでは保険料を判断できない
予定利率が引き上げられても、予定死亡率や予定事業費率が変われば、保険料が予想したほど下がらないことがあります。
また、商品改定と同時に保障内容、特約、解約返戻金の設計などが変更される場合もあります。
「旧商品の予定利率が0.5%、新商品の予定利率が1.0%だから、新商品のほうが必ず得」とは判断できません。
予定利率が上がると保険料が安くなる仕組み
将来1,000万円を支払う保険契約を、単純化して考えてみましょう。
運用収益をまったく見込まない場合、保険会社は保険金支払いに必要な資金の多くを、契約者の保険料から準備する必要があります。
一方、長期間にわたり一定の運用収益を見込める場合は、契約者から受け取る保険料と運用収益を合わせて、将来の保険金を準備できます。
そのため、予定利率が高いほど、同じ保障額に対して必要となる保険料を低く計算できるのが基本です。
長期契約ほど影響が大きくなりやすい
予定利率の影響は、保険料を長期間運用する商品ほど大きくなる傾向があります。
たとえば、数年間だけ保障する定期保険よりも、数十年にわたって保険料を積み立てる終身保険や個人年金保険のほうが、予定利率の影響を受けやすくなります。
運用期間が長いほど、わずかな利率差でも累積する運用収益の差が大きくなるためです。
予定利率が上がっても保険料が必ず下がるとは限らない
予定利率の引上げは、保険料を下げる方向に働きます。
ただし、商品改定の前後で次の条件が変われば、実際の保険料は下がらない可能性があります。
- 予定死亡率
- 予定事業費率
- 保障内容
- 解約返戻金の水準
- 保険料払込期間
- 配当の有無
- 特約の内容
- 契約可能年齢
また、自分が年齢を重ねてから新しい保険へ加入すると、予定利率が高くなった効果より、契約年齢が上がった影響のほうが大きくなることがあります。
解約返戻金への影響
予定利率が高い商品は、ほかの条件が同じであれば、同じ保障をより少ない保険料で準備しやすくなります。
一方、同じ保険料を支払う設計であれば、将来の保険金額や年金原資が増える設計になる場合があります。
ただし、「予定利率が高いほど、すべての時点で解約返戻率が高い」とは限りません。
契約初期の解約返戻金は、契約締結費用や商品設計の影響を受けるため、予定利率が高くても払込保険料を下回ることがあります。
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予定利率と銀行金利の違い
予定利率と銀行預金の金利は、いずれもパーセントで表示されますが、その意味は異なります。
| 比較項目 | 生命保険の予定利率 | 銀行預金の金利 |
|---|---|---|
| 役割 | 保険料・保険金・責任準備金などを計算する基礎率 | 預けた元本に対して支払われる利息率 |
| 対象となる金額 | 保険料全額にそのまま適用されるわけではない | 原則として預金残高 |
| 契約者が受け取るもの | 保険金・給付金・年金・解約返戻金など | 元本と利息 |
| 中途解約 | 解約返戻金が払込保険料を下回る場合がある | 普通預金は原則として元本を引き出せる |
| 保障機能 | 死亡・高度障害・長生きなどに備える | 原則として保険保障はない |
予定利率と返戻率も異なる
返戻率とは、支払った保険料総額に対して、満期保険金や年金などをどの程度受け取れるかを示す割合です。
基本的な計算式は次のとおりです。
受取総額÷払込保険料総額×100
予定利率が1%だから、毎年の返戻率が1%ずつ増えるわけではありません。
契約者が商品を比較するときは、予定利率よりも、払込総額と受取総額を使った返戻率のほうが分かりやすい場合があります。
投資信託の運用利回りとも直接比較できない
投資信託の利回りは、投資した資産の値上がりや分配金などから計算します。
元本保証がなく、市場価格によって損益が変動する一方、生命保険には死亡保障などが含まれます。
予定利率と投資信託の運用実績を数字だけで比較せず、保障コスト、解約条件、税制、価格変動リスクなどを含めて判断しましょう。
予定利率と標準利率の関係
予定利率と標準利率は混同されやすい言葉ですが、同じものではありません。
標準利率とは
標準利率は、生命保険会社が将来の保険金支払いに備えて積み立てる標準責任準備金を計算する際に使用する基礎率です。
国債利回りなどの市場金利を踏まえて算出され、保険会社の健全性を確保するための制度と関係しています。
標準利率が低くなると、保険会社は将来の運用収益を保守的に見込み、より多くの責任準備金を積み立てる必要が生じる場合があります。
予定利率は保険会社が商品ごとに設定する
予定利率は、標準利率、市場金利、自社の運用方針、商品特性、契約期間などを踏まえ、保険会社が商品ごとに設定します。
したがって、標準利率が変わっても、すべての保険会社が同じ日に、同じ幅で予定利率を変更するわけではありません。
同じ保険会社でも、次の違いによって予定利率が異なる場合があります。
- 円建てか外貨建てか
- 一時払か平準払か
- 終身保険か個人年金保険か
- 保険期間
- 保険料払込期間
- 固定利率型か利率変動型か
国債利回りとの関係
生命保険会社は、将来の長期的な保険金支払いに備えるため、国債などの長期資産を中心に運用しています。
国債利回りが上昇すると、新たに購入する債券から得られる利息収入が増え、保険会社が新契約の予定利率を引き上げやすくなる場合があります。
ただし、保険会社は過去に購入した債券も保有しているため、市場金利の上昇が直ちにすべての商品の予定利率へ反映されるわけではありません。
予定利率の影響を受けやすい保険
予定利率の影響を受けやすいのは、保険料の一部を長期間積み立てて運用する貯蓄性のある保険です。
終身保険
終身保険は、死亡保障が一生涯続く保険です。
契約期間が長く、将来の保険金支払いに備えて責任準備金を積み立てるため、予定利率の影響を受けやすい商品です。
予定利率が高くなれば、ほかの条件が同じ場合、同じ死亡保険金額に必要な保険料が低くなる可能性があります。
養老保険
養老保険は、保険期間中に死亡した場合は死亡保険金、満期まで生存した場合は満期保険金を受け取る保険です。
満期保険金を準備するために積立要素が大きく、予定利率の影響を受けやすくなります。
個人年金保険
個人年金保険は、保険料を一定期間積み立て、契約で定めた年齢から年金を受け取る保険です。
積立期間が数十年になることもあるため、予定利率の違いが保険料や将来の年金額へ影響しやすくなります。
学資保険
学資保険は、大学入学などの時期に合わせて祝い金や満期保険金を準備する保険です。
10年以上にわたって保険料を積み立てることが多いため、予定利率の変化が返戻率などへ反映される場合があります。
一時払終身保険
一時払終身保険は、契約時に保険料をまとめて支払う終身保険です。
受け取った保険料を長期間運用する設計であり、市場金利の変化が予定利率や基準利率へ比較的反映されやすい商品です。
ただし、市場価格調整が付いている商品では、金利上昇後に途中解約すると解約返戻金が減少する場合があります。
予定利率の影響が比較的小さい保険
積立部分が小さい掛け捨て型の商品では、貯蓄型保険に比べ、予定利率の変化による影響は限定的になる傾向があります。
定期保険
一定期間の死亡保障を提供する掛け捨て型定期保険は、終身保険に比べて積立部分が小さいため、予定利率の影響は相対的に小さくなります。
ただし、保険期間が非常に長い定期保険や、解約返戻金がある商品では、予定利率の影響を受ける場合があります。
医療保険・がん保険
医療保険やがん保険は、入院・手術・診断などの保障を提供する第三分野の商品です。
無解約返戻金型など積立部分の小さい商品では、予定利率よりも、入院率、疾病発生率、手術率、事業費率などの影響が大きくなる傾向があります。
一方、終身保障で解約返戻金がある商品や、保険料払込期間が短い商品では、予定利率の影響を受けることがあります。
収入保障保険・就業不能保険
一定期間の死亡・就業不能リスクを保障する商品であり、貯蓄部分が少ない商品では、予定利率の影響は比較的小さくなります。
保険料を比較するときは、予定利率より、保障期間、免責期間、支払条件、給付期間などを重視しましょう。
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予定利率が上がっていても、今の保険を解約して入り直したほうが有利とは限りません。現在の契約と新しい商品の保険料・保障・解約返戻金を、専門スタッフが一緒に比較します。
2025年以降の予定利率引上げの動向
長期金利の上昇を背景に、生命保険各社では、円建ての貯蓄性商品を中心に予定利率や基準利率を引き上げる動きがみられます。
日本生命は一部商品で約40年ぶりに引き上げ
日本生命は、契約日が2025年1月2日以後となる一部の個人保険・個人年金保険について、予定利率を引き上げました。
平準払商品の予定利率引上げは、同社では約40年ぶりとされています。
主な改定例として、次の予定利率が公表されました。
| 主な対象 | 改定前 | 改定後 |
|---|---|---|
| 年金保険 | 年0.60% | 年1.00% |
| 終身保険 | 年0.25% | 年0.40% |
| 学資保険 | 年0.85% | 年1.00% |
ただし、改定内容は契約年齢、保険期間、保険料払込期間、商品などによって異なります。
予定利率が引き上げられていても、すべての加入者の保険料が同じ割合で下がるわけではありません。
一時払商品と平準払商品では動きが異なる
一時払終身保険などは、契約時に多額の保険料を一括して受け取り、長期運用するため、市場金利の変化を反映した利率改定が比較的頻繁に行われることがあります。
一方、毎月・毎年保険料を支払う平準払商品では、長期間にわたって保険料を受け取るため、予定利率の改定は一時払商品ほど頻繁ではありません。
会社・商品ごとに利率が違う
各社が同じ予定利率を使用しているわけではありません。
金利環境が同じでも、次の違いによって予定利率や保険料は異なります。
- 保険会社の運用方針
- 保有資産の構成
- 商品設計
- 保障内容
- 保険期間
- 事業費
- 配当の仕組み
「予定利率が最も高い会社を選ぶ」のではなく、同じ保障条件・受取条件にそろえて、払込総額と受取額を比較しましょう。
今後も上がり続けるとは限らない
今後の予定利率は、市場金利や各社の運用環境によって変わります。
金利が上昇すれば予定利率を引き上げる余地が生じますが、市場金利が低下した場合には、引き下げられる可能性もあります。
「もう少し待てば必ず有利になる」とは限らないため、加入時期は金利予想だけでなく、保障が必要になる時期や家計状況を踏まえて判断しましょう。
予定利率の引上げは既存契約にも影響する?
新契約の予定利率が引き上げられても、既存契約の保険料や保険金額が自動的に変更されるわけではありません。
固定利率の商品では、原則として契約時の予定利率を基に計算された契約内容が継続します。
既存契約の予定利率は原則として変わらない
予定利率の改定は、通常、改定日以後に契約する新契約へ適用されます。
すでに加入している終身保険・養老保険・個人年金保険などは、契約時の予定利率を基に算出された保険料や保障が続くのが一般的です。
更新型保険は更新時の保険料を確認する
定期保険特約などの更新型商品では、更新時の年齢や保険料率を基に、更新後の保険料が再計算されることがあります。
ただし、予定利率が上がったから更新後の保険料が必ず下がるわけではありません。
年齢上昇による保険料の増加が、予定利率引上げの効果を上回る可能性があります。
利率変動型商品は契約後も変わる場合がある
積立利率変動型保険などでは、一定期間ごとに積立利率が見直される場合があります。
この場合、契約後の金利環境が積立金や保険金額へ反映される可能性があります。
ただし、最低保証利率や見直しの頻度は商品ごとに異なります。
契約者貸付利率などは別に変更される場合がある
既契約の予定利率が変わらなくても、契約者貸付利率、保険料自動振替貸付利率、保険金の据置利率、配当金の積立利率などが変更される場合があります。
これらは予定利率とは別の利率です。
高い予定利率の既存契約は解約しないほうがよい?
過去の高金利期に契約した終身保険、養老保険、個人年金保険などは、現在より高い予定利率で設計されている場合があります。
こうした契約は一般に「お宝保険」と呼ばれることがあります。
予定利率が高い契約の特徴
- 同じ保障額に対する保険料が比較的低い
- 解約返戻金や満期保険金の条件が有利な場合がある
- 新規加入では同じ条件を再現できない場合がある
一度解約すると、以前の予定利率で契約し直すことはできません。
営業担当者から新商品への転換や乗り換えを勧められた場合も、旧契約の予定利率や解約返戻金を確認してから判断しましょう。
高予定利率でも保障が合わない場合がある
予定利率が高いからといって、必ず継続が最善とは限りません。
次のような場合は、保障内容の変更を検討する余地があります。
- 必要な死亡保障額が大きく変わった
- 保険料負担が家計を圧迫している
- 満期や払込満了が家計計画と合わない
- 特約部分の保険料が高い
- 外貨建てで為替リスクが大きい
- 今後の資金需要に対して流動性が不足している
主契約の高い予定利率を残したまま、不要な特約だけを解約・減額できる場合もあります。
予定利率上昇局面で保険を見直すポイント
予定利率が上昇している局面は、新たに貯蓄性保険へ加入する人にとって、商品を比較する材料の一つになります。
一方、既存契約を解約して新しい商品へ入り直す場合は、予定利率以外の不利益を確認しなければなりません。
新規加入を検討している場合
新たに終身保険、個人年金保険、学資保険などへ加入する場合は、予定利率引上げ後の商品も含めて比較しましょう。
比較する際は、次の条件をそろえます。
- 契約年齢
- 死亡保険金額
- 年金受取総額
- 保険期間
- 保険料払込期間
- 払込方法
- 配当の有無
- 特約の有無
そのうえで、保険料の払込総額、受取総額、解約返戻金の推移を比較してください。
既契約の乗り換えを検討している場合
既契約を解約して新しい保険へ入り直す前に、少なくとも次の項目を確認します。
- 現在の契約の予定利率
- 現在の解約返戻金
- これまでの払込保険料
- 将来の解約返戻金・満期保険金
- 新契約の保険料
- 新契約の払込総額
- 新契約の解約返戻金
- 新たな告知・診査の有無
年齢が上がった影響を確認する
生命保険の保険料は、一般に契約年齢が高くなるほど高くなります。
10年前に低い予定利率で加入した契約と、現在の高い予定利率の商品を比較しても、現在の年齢で入り直すと保険料が高くなる可能性があります。
予定利率だけでなく、現在の年齢を反映した実際の見積書で比較しましょう。
健康状態による再加入リスク
新しい生命保険へ加入する場合は、現在の健康状態や過去の病歴について告知・診査が必要になることがあります。
次のような結果になる可能性があります。
- 新しい保険へ加入できない
- 保険料が割増しになる
- 特定部位が保障対象外になる
- 保険金が削減される期間が設けられる
新契約が成立する前に既存契約を解約すると、必要な保障を失うおそれがあります。
乗り換える場合は、新契約が成立し、保障開始日を確認してから旧契約の取扱いを判断しましょう。
解約返戻金の元本割れ
貯蓄性保険でも、契約から短期間で解約すると、解約返戻金が払込保険料を下回る場合があります。
新商品の保険料が安くても、旧契約の解約損を取り戻すまでに長い期間がかかる可能性があります。
比較するときは、毎月の保険料だけでなく、旧契約の解約損を含む総合的な損益を確認しましょう。
予定利率より保障目的を優先する
生命保険の主な目的は、死亡、病気、長生きなどによる経済的リスクへ備えることです。
予定利率が高いという理由だけで、必要以上の保険へ加入すると、家計の流動性が低下する可能性があります。
まず必要保障額を計算し、保障目的を満たす商品の中で、保険料や返戻率を比較しましょう。
\ 保険の見直しや新規加入、プロに相談しませんか? /
予定利率が上がっていても、今の保険を解約して入り直したほうが有利とは限りません。現在の契約と新しい商品の保険料・保障・解約返戻金を、専門スタッフが一緒に比較します。
予定利率の異なる保険を比較する方法
予定利率だけで商品を比較すると、保障内容や受取条件の違いを見落とす可能性があります。
比較表を作り、同じ条件で確認しましょう。
終身保険で比較する項目
- 死亡保険金額
- 月払・年払保険料
- 保険料払込期間
- 払込保険料総額
- 各年齢の解約返戻金
- 払込満了時の返戻率
- 配当の有無
- 保険料払込免除
- 特約の内容
個人年金保険で比較する項目
- 保険料払込総額
- 年金開始年齢
- 年金受取期間
- 毎年の年金額
- 年金受取総額
- 年金受取率
- 保証期間
- 死亡給付金
- 個人年金保険料税制適格特約
学資保険で比較する項目
- 月払保険料
- 払込期間
- 満期保険金・祝い金の総額
- 受取時期
- 返戻率
- 契約者死亡時の払込免除
- 途中解約時の解約返戻金
実質的な受取額を比較する
同じ予定利率でも、保険会社の事業費や商品設計によって、保険料や返戻率は異なります。
最終的には、次の2つを比較することが重要です。
契約者が実際に支払う金額
契約者または受取人が実際に受け取る金額
予定利率でよくある誤解
予定利率が1%なら保険料全額が年1%で増える
予定利率は、保険料全額にそのまま付利される預金金利ではありません。
保障コストや事業費なども含めて保険料が計算されるため、実際の返戻率とは異なります。
予定利率が高い保険会社が最も有利
予定利率が高くても、事業費や保障内容、解約返戻金の設計によって、払込総額や受取額が不利になる可能性があります。
設計書の具体的な金額を比較してください。
予定利率が上がれば既存契約も自動的に有利になる
固定利率型の既存契約では、通常、新契約の予定利率引上げは反映されません。
契約時の条件がそのまま継続します。
新しい保険へ乗り換えれば必ず保険料が安くなる
現在の年齢、健康状態、新商品の予定死亡率などによっては、予定利率が高くても保険料が上がることがあります。
高予定利率の古い契約は必ず継続すべき
高予定利率は有利な要素ですが、保障目的が現在の家計に合っていなければ、減額や特約の整理を検討する余地があります。
予定利率の上昇を待って保障への加入を先延ばしする
必要な死亡保障や医療保障がない期間に事故・病気が発生すると、後から加入しても補うことはできません。
金利予想だけを理由に、必要な保障の準備を先延ばしにしないようにしましょう。
保険を見直す前のチェックリスト
- 現在の契約の予定利率を確認したか
- 固定利率型か変動型か確認したか
- 現在の死亡保障額を確認したか
- 今後必要となる保障額を計算したか
- 現在の月払・年払保険料を確認したか
- 払込保険料総額を確認したか
- 現在の解約返戻金を確認したか
- 将来の解約返戻金を確認したか
- 満期保険金・年金総額を確認したか
- 旧契約の予定利率が高くないか
- 解約すると元本割れしないか
- 新契約の告知・診査を通過できるか
- 新契約の保障開始日を確認したか
- 不要な特約だけを解約できないか
- 減額や払済保険への変更を検討したか
- 複数社を同じ条件で比較したか
まとめ
予定利率とは、生命保険会社が保険料を計算するときに、将来の運用収益としてあらかじめ見込む利率です。
運用によって得られると見込む収益は、契約者が負担する保険料からあらかじめ割り引かれます。
そのため、予定死亡率、予定事業費率、保障内容などのほかの条件が同じであれば、予定利率が高いほど保険料は低くなり、予定利率が低いほど保険料は高くなるのが基本です。
ただし、予定利率は銀行預金の金利ではありません。
契約者が支払った保険料全額に予定利率と同じ割合の利息が付き、自由に引き出せる仕組みではありません。
予定利率は、保険料、保険金、年金額、責任準備金などを計算するための基礎率です。
生命保険の保険料は、主に次の3つの予定率を基に計算されます。
- 予定死亡率
- 予定利率
- 予定事業費率
予定利率だけが引き上げられても、予定死亡率や事業費、保障内容が変われば、保険料が必ず安くなるとは限りません。
予定利率の影響を受けやすいのは、次のような貯蓄性のある保険です。
- 終身保険
- 養老保険
- 個人年金保険
- 学資保険
- 一時払終身保険
一方、掛け捨て型の定期保険、医療保険、がん保険、就業不能保険などでは、貯蓄性商品に比べて予定利率の影響が小さい傾向があります。
2025年1月には、日本生命が契約日2025年1月2日以後となる一部の個人保険・個人年金保険について、約40年ぶりに予定利率を引き上げました。
公表された主な改定例では、年金保険が年0.60%から年1.00%、終身保険が年0.25%から年0.40%、学資保険が年0.85%から年1.00%へ変更されています。
ただし、適用される予定利率や保険料への影響は、商品、契約年齢、保険期間、払込期間などによって異なります。
新契約の予定利率が引き上げられても、固定利率型の既存契約は、原則として契約時の条件が継続します。
既存契約の保険料や解約返戻金が、自動的に新しい予定利率で再計算されるわけではありません。
高金利期に加入した保険には、現在より高い予定利率が適用されている場合があります。
こうした契約を一度解約すると、同じ予定利率で契約し直すことはできません。
新商品へ乗り換える前に、現在の予定利率、払込保険料総額、解約返戻金、将来の受取額を確認しましょう。
また、現在の年齢で新しい保険へ入り直すと、契約年齢の上昇によって保険料が高くなることがあります。
健康状態によっては、新契約へ加入できなかったり、条件付き契約になったりする可能性もあります。
乗り換える場合は、新契約が成立し、保障開始日を確認する前に旧契約を解約しないことが重要です。
予定利率が上昇している時期は、新たに貯蓄性保険へ加入する人にとって比較の機会になります。
しかし、予定利率だけを基準に商品を選ぶのではなく、次の項目を同じ条件で比較しましょう。
- 毎月・毎年の保険料
- 払込保険料総額
- 保障内容
- 満期保険金・年金総額
- 各時点の解約返戻金
- 返戻率
- 払込免除などの特約
- 途中解約時の条件
生命保険は、予定利率の高さだけを競う金融商品ではありません。
死亡、病気、長生きなどのリスクへ備える保障と、将来の資金準備を組み合わせる商品です。
まず必要な保障額と資金目的を整理し、その目的を満たす商品の中で、予定利率、保険料、返戻率を比較してください。
現在の契約を継続するか、新商品へ乗り換えるか判断できない場合は、旧契約と新契約の設計書を同じ条件で並べ、将来の受取額と解約時の損失まで含めて比較することが重要です。