保険・お金のコラム

告知義務違反とは?バレるとどうなる?2年ルールの正しい理解とリスクを解説

「持病を隠して保険に加入したらバレるのか」「2年経てば告知義務違反でも解除されないと聞いたが本当か」「告知をうっかり忘れていた場合はどうなるのか」――生命保険や医療保険へ加入するとき、健康状態の告知に不安を感じる方は少なくありません。

告知義務違反とは、生命保険会社から告知を求められた健康状態、傷病歴、職業などの重要事項について、故意または重大な過失により、事実を告げなかったり、事実と異なる回答をしたりすることです。

告知義務違反が成立すると、保険会社から契約や特約を解除され、保険金・給付金を受け取れなくなる可能性があります。

ただし、記載漏れや回答の誤りがあれば、どのようなケースでも直ちに告知義務違反になるわけではありません。保険会社から質問された事項だったか、契約者・被保険者に故意または重大な過失があったか、保険会社が解除権を行使できる期間内か、支払事由との因果関係があるかなどを個別に判断します。

また、「責任開始日から2年経てば、隠していた病気があっても必ず保険金を受け取れる」という理解は正確ではありません。多くの生命保険会社の約款では2年を一つの基準にしていますが、2年以内に支払事由が発生していた場合や、告知内容が特に重大で詐欺による取消しに該当する場合などは別の問題になります。

この記事では、告知義務違反の成立要件、保険金請求時に行われる事実確認、2年ルールの正しい意味、因果関係がない場合の取扱い、募集人から告知しないよう勧められた場合の対応、告知漏れに気づいたときの手続きについて解説します。

確認したいポイント 結論 詳細
告知義務違反とは? 質問された重要事項を故意または重大な過失で正しく告知しないこと 単なる記載ミスが、すべて告知義務違反になるわけではありません。
告知義務違反は発覚する? 請求時などの事実確認で判明する可能性がある 診断書、医療機関への照会、契約・請求情報などから確認される場合があります。
発覚したらどうなる? 契約・特約の解除や保険金不払いの可能性がある 解約返戻金がある契約では、約款に従って返戻金が支払われる場合があります。
2年経てば解除されない? 通常の告知義務違反解除は制限されるが、例外がある 2年以内に支払事由が発生していた場合や、詐欺取消しなどには注意が必要です。
うっかり忘れた場合も違反? 重大な過失に該当するかを個別に判断する 気づいた時点で、募集人ではなく保険会社の窓口へ連絡することが重要です。
病気と請求原因に関係がなければ支払われる? 因果関係がなければ支払われる場合がある ただし、契約・特約自体は将来に向かって解除される可能性があります。
募集人に告知不要と言われた場合は? 告知妨害・不告知教唆があれば解除が制限される場合がある 担当者の発言を記録し、告知書には事実を正確に記載してください。
持病がある場合はどうする? 質問に正しく回答したうえで加入できる商品を比較する 通常の保険、条件付き契約、引受基準緩和型、無選択型などがあります。

この記事でわかること

  • 告知義務違反が成立するための条件
  • 告知の対象となる健康状態・傷病歴の考え方
  • 保険金・給付金の請求時に行われる事実確認
  • 約款上の2年ルールと保険法上の5年の違い
  • 告知内容と支払事由に因果関係がない場合の取扱い
  • 告知漏れに気づいた場合の正しい連絡先と手続き
  • 持病や既往歴がある人が検討できる保険の選択肢

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告知義務違反とは何か

生命保険や医療保険へ加入する際、保険契約者または被保険者は、保険会社から告知を求められた重要事項について、事実を正確に回答する義務を負います。

告知を求められる主な事項は、次のとおりです。

  • 現在の健康状態
  • 最近の診察・検査・治療・投薬
  • 一定期間内の入院・手術歴
  • 過去の傷病歴
  • 健康診断・人間ドックでの異常指摘
  • 身体の障害や機能障害
  • 職業・仕事内容
  • 危険なスポーツや趣味

これらについて、故意または重大な過失により事実を告げなかったり、事実と異なる回答をしたりすると、告知義務違反に該当する可能性があります。

質問されたことに正確に回答する義務

現在の保険法では、保険会社から告知を求められた事項に回答する方式が基本です。

被保険者が自分の病歴をすべて自由記述で申告するのではなく、告知書や告知画面に記載された質問を読み、その質問に該当する事実を正確に回答します。

したがって、告知書で質問されていない事項まで、常に自発的に申告しなければならないわけではありません。

一方、質問に該当しているにもかかわらず、「軽い症状だった」「薬を一度しか飲んでいない」「病名が確定していない」などの自己判断で回答しないと、告知義務違反になる可能性があります。

保険会社・商品によって質問内容が異なる

告知対象となる期間や内容は、すべての保険会社で同じではありません。

一般的には、次のような期間について質問されることがあります。

  • 最近3カ月以内の診察・検査・治療・投薬
  • 過去2年以内の健康診断・人間ドックの異常指摘
  • 過去5年以内の入院・手術・一定期間以上の通院や投薬

ただし、これらは一例です。商品によっては対象期間が異なり、特定の病気について、さらに長い期間の告知を求めることもあります。

必ず実際の告知書に記載された質問と注記を確認してください。

告知義務違反には故意または重大な過失が必要

回答に誤りがあっただけで、必ず告知義務違反による解除が認められるわけではありません。

保険会社が告知義務違反を理由に契約を解除するには、契約者または被保険者に故意または重大な過失があったことが必要です。

区分 考え方
故意 告知すべき事実を認識しながら、意図的に告げないこと 現在治療中であると知りながら「治療なし」と回答した
重大な過失 少し注意すれば気づけたのに、著しく注意を欠いて回答したこと 毎月服薬している事実を確認せず「投薬なし」と回答した
単純な誤り 故意や重大な過失までは認められない可能性があるもの 治療日の記憶がわずかにずれていた

重大な過失に当たるかどうかは、病気の内容、治療頻度、告知書の質問の分かりやすさ、本人の認識などを踏まえて個別に判断されます。

告知は誰に、どのように行う?

告知は、保険会社所定の告知書・告知画面へ回答するか、保険会社が指定した医師の診査を受けるなど、保険会社が指定する方法で行います。

募集人へ口頭で話しただけでは不十分

生命保険の営業職員や保険代理店の募集人には、通常、健康状態に関する告知を正式に受領する権限がありません。

担当者へ口頭で病歴を伝えていても、告知書へ正しく記載していなければ、正式な告知として扱われない可能性があります。

「担当者には話したから大丈夫」と考えず、告知書やオンライン告知画面に回答を残してください。

募集人が代わりに回答してはいけない

告知書への回答は、告知義務を負う契約者・被保険者本人が内容を確認して行う必要があります。

募集人へ健康状態を伝え、募集人が本人に確認せず回答を入力する方法は避けてください。

電子申込みの場合も、最終確認画面に表示された回答を一つずつ確認してから送信しましょう。

病名が分からない場合

病名を正確に覚えていない場合は、推測して記載したり、告知対象から外したりせず、次の資料で確認します。

  • 診察券
  • お薬手帳
  • 健康診断結果
  • 医療機関の領収書・診療明細書
  • 退院証明書
  • 手術証明書
  • マイナポータルで確認できる医療情報

それでも分からない場合は、保険会社の告知専用窓口へ相談し、分かる範囲を具体的に回答してください。

募集人に病歴を見せたくない場合

保険会社によっては、募集人を介さず、告知専用のコールセンター、ウェブ告知、郵送、指定医師などを利用できる場合があります。

健康情報を担当者へ詳しく伝えることに抵抗がある場合は、保険会社へ告知方法を確認しましょう。

告知義務違反になりやすい事例

現在服用している薬を告知しない

高血圧、糖尿病、精神疾患、ぜんそくなどで定期的に薬を処方されているにもかかわらず、「現在、治療や投薬を受けていない」と回答すると、告知義務違反になる可能性があります。

症状が安定していても、医師の処方に基づいて薬を服用していれば、一般には投薬中です。

健康診断の再検査指示を告知しない

自覚症状がなくても、健康診断で要再検査・要精密検査・要治療などの指摘を受け、告知書の質問期間内に該当する場合は回答が必要になることがあります。

「まだ病気と診断されていないから告知不要」とは限りません。

通院を自己判断で軽いものとして除外する

花粉症、腰痛、不眠、皮膚炎など、本人が軽いと感じる症状でも、告知書の質問に該当する診察・治療・投薬であれば回答が必要です。

軽症かどうかや加入できるかどうかは、保険会社が判断します。

検査結果が正常だったため受診自体を告知しない

検査の結果、異常なしと判断された場合でも、告知書が「診察・検査を受けたこと」を質問している場合は、受診事実の回答が必要になることがあります。

そのうえで、検査結果が異常なしだったことを詳細欄へ記載します。

治療が終了したため過去の病気を告知しない

完治していても、告知書が質問する期間内の入院・手術・治療歴であれば告知対象になる場合があります。

治療終了日、現在の症状、再発の有無などを含めて回答しましょう。

職業を実態より安全な内容で回答する

高所作業、潜水作業、危険物取扱いなど、危険度の高い業務を行っているにもかかわらず、一般事務などと回答すると、職業に関する告知義務違反になる可能性があります。

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告知義務違反はどのように発覚する?

告知義務違反は、保険金・給付金の請求時や、契約成立後の確認などで判明することがあります。

ただし、保険会社がすべての契約者の過去の受診履歴を自由に閲覧し、加入時から網羅的に調査しているわけではありません。

保険金・給付金の請求書類

入院給付金や手術給付金などを請求するときは、一般に次の書類を提出します。

  • 保険金・給付金請求書
  • 医師の診断書
  • 入院・手術証明書
  • 診療明細書
  • 事故状況報告書

診断書には、現在の傷病名だけでなく、発病時期、初診日、既往症、治療経過などが記載されることがあります。

告知内容と請求書類に食い違いがあれば、保険会社が詳しい確認を行う場合があります。

医療機関への照会

保険会社が支払可否を判断するために追加確認が必要と判断した場合、被保険者などの同意を得たうえで、受診した医療機関へ照会することがあります。

確認される可能性がある内容には、次のようなものがあります。

  • 初診日
  • 診断名
  • 症状が始まった時期
  • 入院・手術歴
  • 投薬内容
  • 過去の治療歴
  • 今回の病気との因果関係

医療機関が、本人の同意なしに保険会社へ無制限に診療情報を提供する仕組みではありません。

支払査定時照会制度

生命保険業界には、保険金・給付金の請求があった場合などに、生命保険会社が生命保険協会を通じて、他の参加会社へ一定の契約・請求情報を照会する制度があります。

これは、保険金等の支払いを適切に判断し、重複請求や不正請求を防止するための制度です。

ただし、医療機関のカルテや公的医療保険の全受診履歴を、参加会社間で自由に共有する制度ではありません。

契約成立後の確認

契約内容、保険金額、加入時の状況などによっては、保険会社が契約成立前後に確認を行う場合があります。

担当者や確認担当者から、申込経緯や告知内容について質問されることがあります。

「必ずバレる」とも「バレなければ問題ない」とも言えない

告知義務違反がすべて機械的に発見されるとは限りません。

しかし、保険は保険金・給付金を受け取るために加入するものです。請求時に調査が行われ、保障を受けられなくなる可能性を抱えた契約へ保険料を払い続けることには、大きなリスクがあります。

発覚するかどうかを基準にせず、告知書の質問へ事実どおり回答することが重要です。

告知義務違反が発覚した場合の取扱い

告知義務違反が成立し、保険会社が所定の期間内に解除権を行使した場合、契約または特約が解除される可能性があります。

契約・特約が解除される

違反内容が主契約に関係する場合は契約全体、特約に関係する場合は該当する特約が解除されることがあります。

解除の具体的な範囲は、商品や約款によって異なります。

保険金・給付金が支払われない場合がある

解除原因となった告知事実と、保険金・給付金の支払事由との間に因果関係がある場合は、解除前に発生した支払事由であっても、保険金・給付金を受け取れない可能性があります。

たとえば、糖尿病の治療を告知せず加入し、糖尿病の合併症で入院した場合などは、告知しなかった事実と請求原因の関係が問題になります。

支払済み保険料は原則として戻らない

告知義務違反による解除の場合、それまでに支払った保険料を全額返還してもらえるとは限りません。

一般に、契約が有効だった期間の保障に対応する保険料は返還されません。

一方、解約返戻金がある契約では、約款に従って解除時点の解約返戻金が支払われる場合があります。

保険料の返還や解約返戻金の取扱いは、契約のしおり・約款を確認してください。

必ず条件変更で契約を残せるわけではない

告知漏れを追加で報告した場合、保険会社が再査定を行い、次のような判断をすることがあります。

  • 現在の条件のまま契約を継続する
  • 保険料を割り増す
  • 特定の部位・疾病を保障対象外とする
  • 保険金額を削減する
  • 契約または特約を解除する

追加告知をすれば、必ず条件変更だけで契約を継続できるわけではありません。

それでも、告知漏れを放置して将来の請求時に問題となるより、早期に保険会社へ相談することが重要です。

告知内容と支払事由に因果関係がない場合

告知義務違反によって契約が解除される場合でも、告知しなかった事実と保険金・給付金の支払事由との間に因果関係が認められないときは、保険金・給付金が支払われる場合があります。

因果関係がない可能性がある例

たとえば、高血圧の治療を告知していなかった人が、交通事故による骨折で入院した場合を考えます。

高血圧と交通事故による骨折との間に医学的な因果関係が認められなければ、骨折による入院給付金が支払われる可能性があります。

病名だけで機械的に判断されない

一見関係がなさそうに見えても、治療経過や合併症によっては因果関係が問題になる場合があります。

反対に、同じ診療科の病気でも、医学上まったく別の原因によるものと判断されることがあります。

因果関係の有無は、診断書、医療記録、医師の見解などを基に保険会社が個別に査定します。

給付金が支払われても契約は継続しない場合がある

今回の支払事由との因果関係がなく、給付金が支払われた場合でも、告知義務違反による契約・特約の解除自体は行われる可能性があります。

この場合、今回の給付金は受け取れても、解除後の将来の保障はなくなります。

告知義務違反の「2年ルール」とは

多くの生命保険会社の約款では、責任開始日から2年を超えて契約が有効に継続した場合、通常の告知義務違反を理由とする解除を制限しています。

これが一般に「2年ルール」や「不可争期間」と呼ばれている取扱いです。

保険法上は5年

保険法では、保険契約締結時から5年を経過した場合、告知義務違反を理由とする解除ができないと定めています。

一方、多くの生命保険会社は約款で、契約者に有利になるよう、解除できる期間を責任開始日から2年以内へ短縮しています。

期間 意味
法律上の5年 保険法が定める告知義務違反解除の除斥期間
約款上の2年 多くの生命保険会社が契約者に有利に短縮している解除可能期間

実際に適用される期間や起算日は、加入している保険の約款を確認してください。

2年以内に支払事由が発生していた場合

保険金・給付金を請求した時点が責任開始日から2年を超えていても、入院・手術・死亡などの支払事由が2年以内に発生していた場合は、解除の対象になることがあります。

たとえば、責任開始日から1年10カ月後に入院し、請求手続きが2年1カ月後になったケースでは、「請求日が2年後だから解除されない」とは限りません。

詐欺による取消しは別の問題

告知内容が特に重大で、保険契約を成立させるために保険会社を欺いたと認められる場合は、告知義務違反による解除ではなく、詐欺による取消しが問題になることがあります。

詐欺による取消しに該当するかどうかは、単なる告知漏れより厳格に判断されます。

例としては、次のような極めて悪質な事情が問題になる可能性があります。

  • 重篤な病気で治療中であることを意図的に隠した
  • 入院・手術の予定を知りながら虚偽告知した
  • 診断書などを偽造した
  • 保険金を取得する目的で複数の虚偽を重ねた

詐欺による取消しとなった場合、2年を経過していても、保険金・給付金が支払われない可能性があります。

重大事由解除・免責・責任開始前発病にも注意

2年を経過して告知義務違反による解除が制限されても、すべての保険金・給付金が無条件で支払われるわけではありません。

次のような別の約款規定が問題になる場合があります。

  • 詐欺による取消し
  • 重大事由による解除
  • 約款所定の免責事由
  • 責任開始前に生じた病気・けが
  • 支払事由の要件を満たしていない場合

したがって、「2年間保険料を払えば、虚偽告知があっても必ず保障される」という考え方は誤りです。

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うっかり告知を忘れた場合はどうなる?

意図的に隠したのではなく、単純に忘れていた場合でも、状況によっては重大な過失と判断され、告知義務違反になる可能性があります。

重大な過失と判断されやすいケース

  • 現在も定期的に通院している
  • 毎日または毎月薬を服用している
  • 告知直前に入院・手術を受けている
  • 健康診断で要精密検査と指摘された直後だった
  • 医師から治療継続を指示されている

日常的に認識しているはずの治療を回答しなかった場合は、「忘れていただけ」という説明でも重大な過失と判断される可能性があります。

告知義務違反にならない可能性があるケース

次のような事情があれば、故意・重大な過失が認められない可能性があります。

  • 告知書の質問が不明確だった
  • 医師から病名や検査結果を知らされていなかった
  • 質問期間より前の受診だったと合理的に認識していた
  • 記載した内容に軽微な日付の誤りがあった

ただし、最終的な判断は個別事情によって異なります。

気づいたら保険会社へ直接連絡する

告知漏れや回答の誤りに気づいた場合は、保険金請求が必要になるまで放置せず、保険会社の契約者窓口・告知専用窓口へ連絡してください。

募集人に口頭で伝えるだけで終わらせず、保険会社所定の追加告知・訂正手続きを行います。

追加告知で伝える内容

  • 病名・症状
  • 初診日
  • 治療期間
  • 入院・手術の有無
  • 現在の通院状況
  • 薬の名称・服用期間
  • 検査結果
  • 現在の症状

お薬手帳、健康診断結果、診療明細書などを手元に用意すると、正確に伝えやすくなります。

自分で旧回答を書き換えない

契約成立後に申込画面や告知書を自分で書き換えることはできません。

保険会社の案内に従い、正式な訂正書類を提出してください。

募集人から「告知しなくてよい」と言われた場合

募集人が告知を妨げたり、事実を告知しないよう勧めたりした場合は、告知妨害または不告知教唆に該当する可能性があります。

告知妨害・不告知教唆の例

  • 「その病気は軽いので書かなくてよい」と言われた
  • 「書くと加入できないから、いいえにしておきましょう」と勧められた
  • 告知しようとした内容を募集人が削除した
  • 募集人が本人に無断で回答を変更した
  • 詳しい内容を記載するのを止められた

保険会社が解除できない場合がある

保険媒介者である募集人が告知を妨害したり、不告知を勧めたりした場合、保険会社は原則として、その告知義務違反を理由に契約を解除できないことがあります。

ただし、募集人の妨害や教唆がなくても、契約者・被保険者が同じ虚偽告知をしていたと認められる場合は、解除が認められる可能性があります。

募集人の指示に従って虚偽回答しない

担当者から告知不要と言われても、告知書の質問に該当する事実がある場合は、正確に回答してください。

募集人ではなく、保険会社の告知専用窓口へ確認する方法もあります。

証拠を保存する

募集人から不適切な指示を受けた場合は、次の資料を保存しましょう。

  • メール
  • チャット履歴
  • 申込画面の控え
  • 告知書のコピー
  • 面談日時・場所・発言内容のメモ
  • 同席者の記録

口頭でのやり取りだけでは、後から告知妨害や不告知教唆の事実を証明することが難しい場合があります。

解除や不払いに納得できない場合

告知義務違反による解除や保険金不払いの通知を受けても、その判断に疑問がある場合は、根拠を確認できます。

保険会社へ説明を求める

まず保険会社へ、次の内容を書面で確認しましょう。

  • どの告知質問への違反と判断されたか
  • 告知すべきだった具体的な事実
  • 故意・重大な過失と判断した理由
  • 解除の根拠となる約款条項
  • 告知事実と支払事由の因果関係
  • 解約返戻金の有無

生命保険会社の相談窓口

担当者では解決しない場合は、保険会社のお客さま相談窓口や苦情受付窓口へ申し出ます。

申込み時の告知書、解除通知、診断書などのコピーを準備してください。

生命保険協会の生命保険相談所

保険会社との話し合いで解決できない場合は、生命保険協会の生命保険相談所へ相談できる場合があります。

一定の要件を満たせば、裁定審査会による裁判外紛争解決手続きを利用できることもあります。

弁護士へ相談する

保険金額が大きい場合や、詐欺取消し、因果関係、募集人の告知妨害などが争点になる場合は、保険法に詳しい弁護士への相談も検討しましょう。

持病・既往歴がある場合の保険の選択肢

持病や通院歴があるからといって、必ず生命保険・医療保険へ加入できないわけではありません。

病名だけでなく、治療時期、現在の数値、服薬状況、合併症、入院歴などを基に査定されます。

通常の保険

持病があっても、治療状況が安定している場合や、一定期間再発していない場合は、通常の保険へ加入できることがあります。

無条件で加入できる場合のほか、次のような特別条件が付くことがあります。

  • 保険料の割増し
  • 特定部位・特定疾病の不担保
  • 保険金の削減
  • 保障開始までの待機期間

引受基準緩和型保険

引受基準緩和型保険は、通常の保険より告知項目を少なくした商品です。

一般的には数項目の告知に該当しなければ申し込めますが、質問数や対象期間は商品によって異なります。

主な注意点は次のとおりです。

  • 通常の保険より保険料が高い傾向がある
  • 契約当初の給付額が削減される商品がある
  • 保障対象外となる病気・治療がある場合がある
  • 告知項目が少なくても正確な回答が必要

無選択型保険

無選択型保険は、健康状態に関する告知や医師の診査を原則として求めない商品です。

加入しやすい一方で、一般に次のような制限があります。

  • 保険料が高い
  • 保障額が小さい
  • 契約後一定期間の病気死亡保障が限定される
  • 解約返戻金が少ない
  • 加入可能年齢や契約期間に制限がある

勤務先の団体保険

勤務先の団体保険では、個人保険より簡易な告知で加入できる場合があります。

ただし、退職すると保障を継続できない場合があるため、保障期間と退職後の取扱いを確認してください。

公的保障と貯蓄を組み合わせる

民間保険へ加入しにくい場合でも、公的医療保険、高額療養費、傷病手当金、障害年金などを確認し、不足分を預貯金で準備する方法があります。

加入できる保険を探すことだけでなく、実際に不足する保障額を計算することが重要です。

複数社へ無計画に申し込まない

保険会社ごとに引受基準は異なりますが、短期間に無計画な申込みを繰り返すのは避けましょう。

申込歴や過去の不成立について質問される商品もあります。

病歴や治療状況を整理し、取り扱いのある代理店などを通じて、事前査定・仮査定を利用できるか確認すると効率的です。

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告知前に準備しておきたい情報

正確な告知をするため、申込み前に次の情報を整理しましょう。

  • 医療機関名
  • 病名・症状名
  • 初診年月
  • 最終受診年月
  • 治療期間
  • 通院頻度
  • 入院期間
  • 手術名・手術日
  • 検査名・検査結果
  • 薬の名称・服用量
  • 治療が終了しているか
  • 現在の症状
  • 再発・合併症の有無
  • 健康診断の指摘内容

告知内容の控えを保存する

告知書を提出した後は、回答内容のコピーや申込画面のPDF・スクリーンショットなどを保存してください。

後日、どの質問へどのように回答したかを確認できます。

回答に迷ったら詳細を補足する

「はい」「いいえ」の判断に迷う場合は、保険会社へ確認し、詳細記入欄などへ具体的な情報を記載します。

加入可否を自分で判断して事実を省略するのではなく、必要な情報を示したうえで保険会社の査定を受けましょう。

医師に加入可否を判断してもらうものではない

主治医から「もう治っている」「保険へ入っても問題ない」と言われても、告知が不要になるわけではありません。

医師は医学的な状態を判断し、保険会社は自社の引受基準に基づいて加入可否を判断します。

告知でよくある誤解

軽い病気なら告知しなくてよい

病気の重さではなく、告知書の質問に該当するかどうかで判断します。

担当者へ口頭で話せば告知したことになる

募集人へ口頭で伝えただけでは、正式な告知として認められない可能性があります。所定の告知方法で回答してください。

病名が付いていなければ告知不要

告知書が診察・検査・異常指摘について質問している場合は、確定診断前でも回答が必要になることがあります。

健康保険を使わなければ分からない

自由診療や自費診療であっても、医療機関の診療記録や提出する診断書などから治療歴が確認される場合があります。

2年間請求しなければ必ず保障される

2年以内に支払事由が発生していた場合、詐欺取消し、重大事由解除、責任開始前発病など、別の問題が残る可能性があります。

因果関係がなければ契約も継続する

因果関係がないため今回の保険金が支払われても、告知義務違反を理由に契約・特約が解除される可能性があります。

追加告知すれば必ず契約を残せる

追加告知後の判断は保険会社の査定によります。無条件継続、条件変更、解除などの可能性があります。

引受基準緩和型なら告知義務がない

引受基準緩和型にも告知項目があります。質問が少ないだけで、虚偽回答が認められるわけではありません。

保険申込み前の告知チェックリスト

  • 告知書の質問を最後まで読んだか
  • 質問の対象期間を確認したか
  • 現在の通院を回答したか
  • 服用中の薬を確認したか
  • 過去の入院・手術を確認したか
  • 健康診断の再検査・精密検査指示を確認したか
  • 検査結果が正常でも受診事実が質問対象でないか確認したか
  • 募集人の判断だけで回答を省略していないか
  • 自分で告知内容を確認したか
  • 告知書・申込画面の控えを保存したか
  • 病名や受診日が不明な場合に資料を確認したか
  • 不明点を保険会社の告知窓口へ確認したか
  • 新契約成立前に既契約を解約していないか

まとめ

告知義務違反とは、生命保険会社から告知を求められた健康状態、傷病歴、職業などの重要事項について、故意または重大な過失により、事実を告げなかったり、事実と異なる回答をしたりすることです。

回答に誤りがあっただけで、すべてのケースが直ちに告知義務違反になるわけではありません。

告知義務違反による解除には、主に次の点が問題になります。

  • 保険会社から質問された事項だったか
  • 回答内容が事実と異なっていたか
  • 故意または重大な過失があったか
  • 保険会社が解除権を行使できる期間内か
  • 募集人による告知妨害・不告知教唆がなかったか

告知義務違反が成立すると、契約または特約が解除される可能性があります。

告知しなかった事実と保険金・給付金の支払事由に因果関係がある場合は、解除前に生じた入院・手術・死亡などであっても、保険金・給付金が支払われない可能性があります。

支払った保険料が全額返還されるとは限りません。ただし、解約返戻金がある契約では、約款に従って返戻金が支払われる場合があります。

告知義務違反は、保険金・給付金の請求時に提出する診断書、本人の同意に基づく医療機関への照会、支払査定時照会制度などを通じて判明する場合があります。

保険会社が公的医療保険のすべての受診履歴を自由に閲覧できるわけではありませんが、「隠しても調べられない」と考えて加入するのは危険です。

多くの生命保険会社の約款では、責任開始日から2年を超えて契約が有効に継続すると、通常の告知義務違反解除を制限しています。

一方、保険法上の解除可能期間は契約締結から5年です。生命保険会社が約款で2年へ短縮しているのは、契約者に有利な取扱いです。

ただし、次のような場合は、責任開始日から2年を経過していても注意が必要です。

  • 支払事由が責任開始日から2年以内に発生していた
  • 告知内容が特に重大で詐欺取消しが問題になる
  • 重大事由解除に該当する
  • 責任開始前の病気・けがに関する約款規定が適用される
  • そもそも約款所定の支払事由を満たしていない

そのため、「2年経てば、どのような虚偽告知があっても必ず保障される」という理解は誤りです。

告知しなかった事実と請求原因との間に因果関係が認められない場合は、保険金・給付金が支払われることがあります。

たとえば、高血圧の不告知があり、交通事故による骨折で入院した場合などです。

ただし、今回の給付金が支払われても、契約・特約自体は将来に向かって解除される可能性があります。

告知漏れに気づいた場合は、保険金請求まで放置せず、保険会社の契約者窓口・告知専用窓口へ連絡してください。

募集人に口頭で伝えるだけではなく、保険会社所定の追加告知・訂正手続きを行います。

追加告知後は、現在の条件での継続、保険料の割増し、特定部位の不担保、契約解除などの判断が行われる可能性があります。

募集人から「書かなくてよい」「告知すると加入できない」などと言われた場合でも、告知書には事実を正確に記載してください。

募集人が告知を妨害したり、不告知を勧めたりした場合は、保険会社による解除が制限されることがあります。ただし、後から事実関係を立証できるよう、メール、チャット、告知書の控え、面談記録などを保存することが重要です。

持病や既往歴があっても、通常の保険へ加入できる場合があります。

通常の保険が難しい場合は、条件付き契約、引受基準緩和型保険、無選択型保険、勤務先の団体保険などを検討できます。

ただし、引受基準緩和型にも告知義務があります。告知項目が少ないからといって、事実と異なる回答をしてよいわけではありません。

保険は、加入できることではなく、必要なときに保険金・給付金を受け取れることが重要です。

告知で迷ったときは、自分で「書かなくても大丈夫」と判断せず、病名、受診日、治療内容、服薬状況を整理し、保険会社所定の方法で正確に回答しましょう。