保険・お金のコラム

ワイド団信と一般団信の違いは?金利上乗せ・年齢制限・保障内容を比較

持病があって団信の審査に不安がある方に、まず案内されることが多いのがワイド団信です。ただ、名前だけ聞くと保障が広い団信のように思えるため、誤解されやすい商品でもあります。

一般団信と違うのは、引受の基準、金利の上乗せ、加入できる年齢の3点です。保障される内容そのものは変わりません。ワイドという言葉は保障の広さではなく、引き受けてもらえる範囲の広さを指しています。

この記事では、一般団信との違いを整理したうえで、金融機関ごとの差、金利上乗せの実際の負担額、フラット35や生命保険との使い分けまでを扱います。

確認したいポイント 結論 詳細
一般団信と何が違う? 引受基準・金利・年齢が違う 違うのはこの3点で、保障される内容そのものは一般団信と同じです。手厚くなるわけではありません。
金融機関で差はある? 上乗せ幅と年齢の上限に差がある 上乗せは年0.2%の銀行も0.3%の銀行もあります。そもそも扱っていない金融機関もあります。
金利負担はいくら増える? 35年で百万円単位の差になる 3,000万円を35年で借りる場合、0.2%で約125万円、0.3%で約188万円の増加です。
フラット35とどちらが得? 代わりの保険料次第で変わる 団信なしで借りて生命保険に入る方法もあります。健康状態によって保険料が変わるため試算が必要です。

この記事でわかること

  • ワイド団信が一般団信と違う3つの点と、変わらない点
  • 上乗せ金利や年齢の上限が金融機関によってどう違うか
  • 借入額と返済期間ごとに、上乗せ分がいくらの負担になるか
  • フラット35や引受基準緩和型の生命保険との使い分け
  • 申し込む前に確認しておきたい注意点
ワイド団信が必要かどうか、状況から判断できます
健康状態によっては一般団信で通ることもあります。上乗せ金利を払う前に、どの選択肢から検討すべきかを一緒に整理します。

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ワイド団信とはどういうものか

まず、この商品がどういう位置づけにあるのかを確認します。

引受の基準を緩めた団信

団信は生命保険の一種で、加入には健康状態の告知が必要です。告知の内容によっては引き受けてもらえず、多くの金融機関では団信に入れないと住宅ローン自体が組めません。

そこで一部の金融機関が用意しているのが、引受の基準を緩めた団信=ワイド団信です。高血圧、糖尿病、肝機能障害、精神疾患の既往など、一般団信では難しいとされる状態でも、条件によっては加入できることがあります。

一般団信に入れなかった人が使う商品

ワイド団信は、健康な人が積極的に選ぶ商品ではありません。上乗せ金利を払う分だけ返済総額が増えるためです。

位置づけとしては、一般団信で断られた場合の次の一手です。まず一般団信で申し込み、通らなかった場合に検討するという順序になります。

保険料は誰が払っているのか

一般団信は「無料」と説明されることがありますが、正確には保険料が発生していないわけではありません。金融機関が保険会社に保険料を支払っており、その分は住宅ローンの金利のなかに含まれていると考えるのが実態に近い理解です。

ワイド団信の場合、引き受ける範囲を広げる分だけ保険会社に支払う保険料が高くなります。その差額を、借りる側が金利の上乗せという形で負担する仕組みです。

つまり、上乗せ金利は追加の保険料に相当するものです。この構造を理解しておくと、後で扱う生命保険との比較がしやすくなります。

自動的にワイド団信で査定される場合がある

見落とされやすいのですが、金融機関によっては、一般団信で引き受けられないと判断された場合に、保険会社があらためてワイド団信での引受可否を検討する運用をとっているところがあります。

この場合、申込者が別途手続きをしなくても、ワイド団信の結果が返ってきます。逆に、そうした運用をしていない金融機関では、自分でワイド団信を選んで申し込む必要があります。

どちらの扱いになるかは金融機関によって異なるため、申し込みの前に確認しておくと手戻りが減ります。

一般団信との違いは3点

両者を分けているのは何かを、項目ごとに整理します。

違い1:引受の基準

最大の違いがここです。告知書で問われる質問の内容そのものは似ていても、その答えをどう受け止めるかの幅が違います。一般団信では断られる状態でも、ワイド団信なら引き受けられることがあります。

ただし、基準が公開されているわけではありません。どこまでなら通るのかは、申し込んで判断を受けるまで分からないのが実情です。

ワイド団信でも告知は必要

引受の基準が緩いと聞くと、告知が簡単になると思われがちですが、そうではありません。ワイド団信でも、過去3年間の病歴や治療歴の告知は必要です。質問される内容そのものは、一般団信と大きく変わりません。

違うのは、その内容をどう評価するかです。事実と違う告知をすれば告知義務違反になる点も同じで、発覚すれば契約が解除され、保険金が支払われない可能性があります。

違い2:金利の上乗せ

一般団信は、保険料を金融機関が負担する形をとっているため、借りる側に上乗せがないのが一般的です。実際には金利のなかに含まれていると考えるのが正確ですが、表示上は上乗せなしとなります。

一方、ワイド団信は年0.2%から0.3%程度を金利に上乗せするのが一般的です。引き受ける範囲を広げる分のリスクを、金利で負担する仕組みになっています。

違い3:加入できる年齢

意外と知られていないのがこの点です。ワイド団信は、一般団信より加入年齢の上限が低く設定されている金融機関があります。満51歳未満といった条件が付いている例が見られます。

一般団信であれば申し込めた年齢でも、ワイド団信では対象外になることがあります。年齢が上限に近い場合は、この条件を先に確認しておきます。

保障される内容は同じ

ここが最も誤解されやすい部分です。ワイド団信の保障内容は、一般団信と基本的に同じです。死亡または所定の高度障害状態になったときに、そのときのローン残高に相当する保険金が支払われます。

金利を上乗せしているのだから保障も手厚いはず、という理解は誤りです。上乗せは、引き受けてもらえること自体に対する負担であり、保障の範囲が広がるわけではありません。

疾病保障を付けられないことが多い

がんや3大疾病を保障の対象に含む団信は、通常の団信より引受の基準が厳しくなります。そのため、ワイド団信を利用する場合、こうした疾病保障を組み合わせられないことが一般的です。

保障を厚くしたい場合は、団信ではなく個人で加入する保険で補うことになります。ただし、そちらにも告知があります。

一般団信で通る可能性がないか、先に確認できます
健康状態によっては、上乗せ金利を払わずに済むこともあります。告知の内容を整理したうえで、どこから申し込むべきかをお伝えします。

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金融機関によって違う点

ワイド団信は、どこで借りても同じ条件というわけではありません。差が出る部分を挙げます。

上乗せ幅に差がある

上乗せ金利は年0.2%のところもあれば、年0.3%のところもあります。0.1%の差でも、返済期間が長ければ数十万円単位の違いになります。

同じワイド団信という名称でも条件は各社で異なるため、扱っている金融機関を複数比べる価値があります。

年齢の上限に差がある

前述のとおり、ワイド団信の加入年齢は金融機関によって設定が違います。上限が低めのところでは、40代後半から50代の方が対象外になることがあります。

金利の低さだけで申込先を選ぶと、年齢条件で対象外になることがあるため、金利と年齢条件をセットで確認します。

そもそも扱っていない金融機関がある

ワイド団信は、すべての金融機関が用意しているわけではありません。取り扱いがないところでは、一般団信で断られた時点で選択肢がなくなります。

健康状態に不安があるなら、申込先を選ぶ段階で、ワイド団信の取り扱いがあるかどうかを条件に入れておくと安全です。

申し込みの順序を決めておく

健康状態に不安がある場合、どこから申し込むかで手戻りの量が変わります。基本は、まず一般団信で通る可能性を試し、断られたらワイド団信、それでも難しければフラット35という順序です。

最初からワイド団信で申し込むと、一般団信で通ったはずの人まで上乗せ金利を負担することになります。逆に、一般団信だけを何行も試して時間を使うと、物件の契約期限に間に合わなくなります。

ワイド団信の取り扱いがある金融機関を1行は候補に入れつつ、一般団信から試すという組み立てにすると、両方の失敗を避けやすくなります。

引受保険会社が同じなら結果は変わりにくい

金融機関を変えれば結果が変わることはありますが、引受をしている保険会社が同じであれば、判断も同じになる可能性が高くなります。

複数に申し込むときは、それぞれどこの保険会社が引き受けているのかを確認しておくと、無駄な申し込みを減らせます。

上乗せ金利は実際いくらの負担か

判断の材料として、金額に置き換えて確認します。

3,000万円を35年で借りる場合

金利1.5%であれば、毎月の返済は約9万1,900円、総返済額は約3,858万円です。

ここに0.2%が上乗せされて1.7%になると、毎月は約9万4,800円、総返済額は約3,983万円となります。上乗せによる増加は約125万円です。0.3%上乗せの1.8%では毎月約9万6,300円、総返済額は約4,046万円となり、増加は約188万円になります。

毎月に直すと、0.2%で約3,000円、0.3%で約4,500円の差です。

借入額が増えると差も大きくなる

同じ35年でも、借入額が4,000万円になると、1.5%の総返済額約5,144万円に対し、1.8%では約5,394万円です。差は約250万円に広がります。

上乗せ幅は同じでも、借りる金額に比例して負担は増えます。借入額が大きい人ほど、上乗せ幅の小さい金融機関を探す価値が高くなります。

返済期間を短くすると差は小さくなる

3,000万円を25年で借りる場合、1.5%の総返済額は約3,599万円、1.8%では約3,728万円で、差は約128万円です。35年の場合の約188万円と比べて小さくなります。

毎月の返済額は増えますが、期間を短くすることで上乗せ分の総額を抑えられるという関係があります。上乗せを受け入れるかどうかを考えるときの、もう一つの調整弁になります。

上乗せ分を後から抑える方法

上乗せ金利は、契約している間ずっと発生します。ただし、負担を減らす方法がないわけではありません。

ひとつは繰り上げ返済です。元本が減れば、支払う利息も上乗せ分を含めて減ります。期間を短縮する形の繰り上げ返済であれば、上乗せを負担する年数そのものを縮められます。

もうひとつが借り換えです。健康状態が改善して一般団信で通るようになれば、借り換えのタイミングで上乗せをなくせる可能性があります。ただし借り換えには手数料もかかるため、削減できる金額と比べて判断します。

上乗せ分がいくらになるか、条件を入れて試算できます
借入額と返済期間によって、負担額は大きく変わります。シミュレーションで具体的な金額をご確認いただけます。

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フラット35や生命保険との違い

ワイド団信以外にも、健康状態に不安がある場合の選択肢はあります。それぞれの性格を整理します。

フラット35との違い

フラット35では、団信(新機構団信)への加入が任意とされています。団信に入れなくても住宅ローンを借りられるという点が、ワイド団信との決定的な違いです。

新機構団信に加入しない場合、金利は年0.2%引き下げられます。ワイド団信が0.3%の上乗せだとすると、金利差は0.5%になります。

ただし、団信に入らなければ、亡くなってもローンは消えません。金利が下がる代わりに保障がなくなるという関係です。

参照:住宅金融支援機構【フラット35】「ご加入の手続・ご注意点」
https://www.flat35.com/danshin_menu/shin-danshin/tetuduki.html

引受基準緩和型の生命保険との違い

団信に加入せずに借り、代わりに個人で生命保険に入るという方法があります。死亡保険金でローンを返済できるようにしておけば、団信に近い形の備えになります。

違いは費用の出方です。団信は金利に上乗せされるのに対し、生命保険は保険料として別に支払います。健康状態によっては引受基準を緩めた商品を選ぶことになり、その分保険料は高くなります。

また、団信の保障はローンの残高に連動して減っていきますが、個人の保険は自分で保障額を設定します。返済が進むにつれて必要額が減る点を踏まえ、収入保障保険のように保障額が逓減する形を選ぶ方法もあります。

疾病保障付き団信との位置づけの違い

団信には、がんや3大疾病を保障の対象に含むタイプもあります。ここで混同しやすいのが、ワイド団信と疾病保障付き団信は、上乗せ金利という点は同じでも、方向がまったく逆だという点です。

疾病保障付き団信は、保障の範囲を広げるために上乗せします。引受の基準は通常の団信より厳しくなります。一方、ワイド団信は保障の範囲は変えず、引き受けてもらえる範囲を広げるために上乗せします。

整理すると、健康な人が保障を厚くしたいときに選ぶのが疾病保障付き団信、健康状態に不安がある人が加入するために選ぶのがワイド団信です。両者を組み合わせられないことが多いのは、この性格の違いによります。

どれを選ぶかの考え方

判断の分かれ目は、代わりに加入できる保険の保険料です。上乗せ金利の総額と、生命保険の保険料の総額を並べて比べるのが基本になります。

健康状態によっては保険料が割高になり、ワイド団信のほうが安く済むこともあります。逆に、比較的軽い持病であれば個人の保険のほうが安いこともあります。両方を試算しないと判断できません。

検討するときの注意点

申し込む前に押さえておきたい点を挙げます。

ワイド団信でも断られることがある

引受の基準が緩いとはいえ、無条件ではありません。治療中の状態や、経過年数が短い場合は、ワイド団信でも引き受けられないことがあります。

ワイド団信があるから大丈夫と考えて物件の契約を先に進めると、断られた場合に手続きが複雑になります。契約の前に見通しを確認しておきます。

保障が手厚くなるわけではない

繰り返しになりますが、上乗せ金利を払っても保障の範囲は一般団信と同じです。上乗せは保障を買うための費用ではなく、引き受けてもらうための費用です。

この点を理解しておかないと、支払った分に見合う保障があるはずだという誤解につながります。

事前審査の段階で確認する

金融機関によっては、事前審査の申し込みとあわせて団信の告知書を提出できます。健康状態に不安があるなら、この形をとれるかを確認します。

本審査まで進んでから団信を理由に断られると、物件の手続きが進んだ後で振り出しに戻ります。早い段階で見通しが立てば、別の選択肢へ切り替える時間も確保できます。

申し込む前に資料を用意しておく

ワイド団信でも、告知の内容によっては診断書や医師の意見書といった追加の書類を求められることがあります。書類の取得には日数がかかるため、早めに動いておくと審査の期間を短くできます。

手元に用意しておきたいのは、直近の健康診断や人間ドックの結果表、お薬手帳、通院している場合は最近の検査結果です。診断名と治療の時期を時系列で書き出しておくと、告知書の記入がそのまま進みます。

団信なしを選ぶなら家族と共有する

上乗せ金利を避けて団信なしで借りるという判断をする場合、その意味を家族と共有しておく必要があります。契約者が亡くなってもローンは消えず、残された家族が返済を続けるか、住宅を売却するかを選ぶことになります。

住宅を売っても残債が残る場合があります。代わりに加入する生命保険の保険金額で、どこまで賄えるのかを書き出して一緒に確認しておきます。

将来の借り換えも考えておく

借り換えは、今のローンを完済して新しいローンを組み直す手続きです。そのため、借換先の団信にも新規で加入し直す必要があります。

ワイド団信で借りた場合、その後に健康状態が改善すれば、借り換えのタイミングで一般団信に切り替えられる可能性もあります。逆に悪化していれば借り換え自体が難しくなります。長期の視点で考えておく部分です。

まとめ

ワイド団信と一般団信の違いは、引受の基準、金利の上乗せ、加入できる年齢の3点です。保障される内容そのものは変わらず、上乗せ金利は保障を厚くするための費用ではありません。

上乗せ幅は年0.2%から0.3%程度が一般的ですが、金融機関によって差があります。3,000万円を35年で借りる場合、0.2%で約125万円、0.3%で約188万円の負担増になります。年齢の上限も金融機関ごとに違うため、金利とセットで確認します。

フラット35なら団信への加入が任意で、加入しなければ金利は年0.2%下がります。代わりに生命保険で備える場合の保険料と、上乗せ金利の総額を並べて比べるのが判断の基本です。

なお、ワイド団信でも引き受けられないことはあります。物件の契約に進む前に、複数の選択肢で見通しを確認しておくことが何より確実です。

ワイド団信を含めて、選択肢を並べて比べられます
上乗せ金利の試算、代わりの保険の保険料、フラット35との比較まで対応しています。まずは無料相談か、保険料シミュレーションからご確認ください。

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