学資保険と奨学金はどう違う?併用すべきケースと教育資金の賢い準備方法を解説
「学資保険に入っていれば奨学金は必要ないのか」「奨学金があるなら学資保険に入らなくてもよいのか」――教育資金の準備方法を考えるとき、学資保険と奨学金の使い分けに迷う方は少なくありません。
学資保険は、保護者が子どもの進学前から保険料を積み立て、進学時期に祝い金や満期保険金を受け取る保険です。一方、奨学金は、進学する学生本人が給付または貸与を受ける制度です。
両者は、資金を準備する人、受け取る時期、返済の有無が異なります。そのため、「どちらか一方を選ぶ」のではなく、学資保険や預貯金で入学前の費用を確保し、必要に応じて給付型・貸与型奨学金で在学中の費用を補う考え方が現実的です。
ただし、学資保険だけで大学卒業までの教育費をすべて準備できるとは限りません。また、貸与型奨学金は学生本人が卒業後に返還するため、借入額を増やしすぎると、就職後の生活や将来の資産形成に影響する可能性があります。
この記事では、学資保険と奨学金の仕組みの違い、それぞれのメリットと注意点、給付型奨学金や高等教育の修学支援新制度、両者を併用する場合の資金設計、NISA・預貯金・教育ローンを含めた教育資金の準備方法を解説します。
| 確認したいポイント | 結論 | 詳細 |
|---|---|---|
| 学資保険と奨学金の違いは? | 学資保険は保護者の積立、奨学金は学生への給付・貸与 | 負担する人、受取時期、返済義務、利用条件などが異なります。 |
| 学資保険だけで教育費は足りる? | 契約金額や進路によっては不足する可能性がある | 大学の学費に加えて、受験費用、教材費、通学費、下宿費なども必要です。 |
| 奨学金は返さなくてよい? | 給付型は原則返済不要、貸与型は学生本人が返還する | 貸与型には無利子の第一種と有利子の第二種があります。 |
| 学資保険と奨学金は併用できる? | 併用でき、必要時期に応じて役割を分けられる | 学資保険や預貯金を入学前費用に、奨学金を在学中の費用に充てる方法があります。 |
| 学資保険のメリットは? | 計画的な積立と保険料払込免除が主な特徴 | 契約者に万一のことがあった場合も、所定の条件を満たせば将来の受取金を確保できます。 |
| 貸与型奨学金のデメリットは? | 卒業後に学生本人の返還負担が残る | 借入額や利率によっては、10年以上にわたり返還が続く場合があります。 |
| 給付型奨学金の条件は? | 家計基準・学業基準・資産基準などを満たす必要がある | 多子世帯の授業料等減免は拡充されていますが、給付奨学金の支給条件とは区別が必要です。 |
| 学資保険以外の選択肢は? | 預貯金・NISA・教育ローンなどを組み合わせる | 元本保証の有無、使う時期、返済義務、価格変動リスクを分けて考えます。 |
この記事でわかること
- 学資保険と奨学金の仕組み・負担者・受取時期の違い
- 学資保険のメリットと、途中解約・インフレに関する注意点
- 給付型・第一種・第二種奨学金の違い
- 高等教育の修学支援新制度と多子世帯支援の考え方
- 学資保険と奨学金を併用する場合の具体的な資金配分
- 預貯金・NISA・教育ローンを含めた教育資金の準備方法
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学資保険、奨学金、NISAなどをどのように組み合わせるべきかは、家計やお子さまの進路によって異なります。必要な時期と金額に合わせた教育資金プランを、専門スタッフが一緒に検討します。
学資保険と奨学金の仕組みの違い
学資保険と奨学金は、いずれも教育費を準備するために利用できますが、資金の性質は大きく異なります。
学資保険とは
学資保険とは、保護者などが契約者となって保険料を支払い、子どもが一定の年齢に達したときに、祝い金や満期保険金を受け取る貯蓄性のある保険です。
一般的には、高校進学時や大学入学時などに受取時期を設定します。
学資保険の主な特徴は次のとおりです。
- 保護者が進学前から保険料を積み立てる
- 受取時期と受取額を契約時に決める
- 受け取った保険金に返済義務はない
- 所定の条件で保険料払込免除が付く
- 契約途中で解約すると元本割れする場合がある
- 受取額は原則として契約時に決まる
学資保険には、契約者である保護者が死亡または所定の高度障害状態になった場合に、その後の保険料の払込みが免除される保障が付いていることがあります。
払込みが免除された後も、契約が継続され、予定していた祝い金や満期保険金を受け取れるのが一般的です。
ただし、払込免除の対象になる状態、免責事項、保障開始時期は商品によって異なります。
奨学金とは
奨学金とは、進学する学生本人に対して、学費や生活費に充てるための資金を給付または貸与する制度です。
代表的な制度として、日本学生支援機構の奨学金があります。
奨学金には、大きく分けて次の種類があります。
- 返済が原則不要な給付型奨学金
- 無利子で借りる第一種奨学金
- 利息付きで借りる第二種奨学金
貸与型奨学金の借り手は、原則として学生本人です。卒業後は学生本人が返還します。
保護者が借りる教育ローンとは、債務者が異なる点に注意してください。
学資保険と奨学金の比較
| 比較項目 | 学資保険 | 奨学金 |
|---|---|---|
| 資金を準備する人 | 主に保護者 | 制度の実施機関が学生へ給付・貸与 |
| 主な受取人 | 契約者または子ども | 学生本人 |
| 準備する時期 | 進学前から積み立てる | 進学前に申込み、原則として進学後に受け取る |
| 返済義務 | なし | 給付型はなし、貸与型はあり |
| 利用条件 | 健康状態や加入年齢など | 家計・学業・学校などの要件 |
| 資金の主な用途 | 入学金、授業料、教育関連費 | 授業料、教材費、生活費など |
| 万一の保障 | 払込免除が付く場合がある | 原則として保険機能はない |
| 途中の資金利用 | 解約や契約者貸付が必要な場合がある | 採用後、原則として毎月振り込まれる |
受け取る時期に違いがある
学資保険では、大学入学前に満期保険金や祝い金を受け取れるよう設計できます。
そのため、次のような進学前の支出に充てやすいのが特徴です。
- 受験料
- 交通費・宿泊費
- 入学金
- 前期授業料
- 一人暮らしの敷金・礼金
- 家具・家電
- パソコンや教材
一方、日本学生支援機構の奨学金は、予約採用の候補者になっていても、進学後に進学届を提出してから初回振込みが行われます。
初回振込みは4月から6月になる場合があるため、合格後すぐに支払いが必要な入学金などは、学資保険や預貯金などで準備する必要があります。
学資保険のメリットと注意点
計画的に積み立てやすい
学資保険では、毎月または毎年決まった保険料を支払います。
生活費を使った後に残った金額を貯蓄する方法と比べて、教育資金を先に取り分けやすいのが特徴です。
預貯金を取り崩してしまいやすい家庭にとっては、半強制的に教育資金を準備できる仕組みがメリットになります。
契約者に万一のことがあった場合に備えられる
払込免除が付いた学資保険では、契約者が死亡または所定の状態になった場合、その後の保険料の払込みが免除されます。
預貯金や投資では、保護者が亡くなった後に積立資金の拠出が止まる可能性があります。
保険料払込免除は、貯蓄と保障を組み合わせた学資保険の特徴です。
ただし、学資保険へ加入せず、別途、定期保険や収入保障保険で保護者の死亡保障を確保する方法もあります。
受取額があらかじめ分かる
契約時に満期保険金や祝い金の金額が決まるため、大学入学時に最低限確保したい資金を計画しやすくなります。
株式や投資信託のように、受取時点の市場価格によって金額が大きく変動することは通常ありません。
途中解約では元本割れする場合がある
学資保険を契約途中で解約すると、それまでに支払った保険料の合計額より、解約返戻金が少なくなる可能性があります。
保険料を長期間支払い続けられるかを確認し、無理のない金額で契約することが重要です。
出産、住宅購入、転職などによって家計が変化しても継続できる金額に設定しましょう。
インフレに弱い場合がある
学資保険の受取額は、契約時にほぼ決まります。
契約後に物価や大学の授業料が上昇しても、満期保険金が自動的に増えるわけではありません。
18年後に200万円を受け取れる契約でも、物価が上昇すれば、その200万円で支払える教育費の範囲は小さくなる可能性があります。
返戻率だけで選ばない
返戻率とは、支払った保険料の総額に対して、祝い金や満期保険金を合計でどの程度受け取れるかを示す割合です。
基本的な計算式は次のとおりです。
受取総額÷払込保険料総額×100
返戻率が高い商品でも、次の内容が希望と合っていなければ、教育資金の準備方法として適切とは限りません。
- 満期保険金の受取時期
- 保険料払込期間
- 途中解約時の解約返戻金
- 払込免除の対象範囲
- 祝い金の有無
- 契約者・被保険者の年齢条件
学資保険だけで大学の教育費は足りる?
学資保険だけで大学卒業までの費用をすべて準備できるかどうかは、満期保険金額、進学先、自宅通学か一人暮らしかなどによって異なります。
大学進学では、授業料と入学金だけでなく、さまざまな費用がかかります。
大学進学時に必要になる主な費用
- 受験料
- 受験時の交通費・宿泊費
- 入学金
- 授業料
- 施設設備費
- 実験実習費
- 教科書・教材費
- パソコン購入費
- 通学定期代
- 一人暮らしの初期費用
- 毎月の家賃・生活費
2025年度の私立大学学部における初年度学生納付金等の平均は、授業料、入学料、施設設備費、実験実習料などを合わせて約151万円です。
学部別では、文科系学部の授業料・入学料・施設設備費の合計が約121万円、理科系学部では約160万円となっています。
これらは初年度の大学への納付金であり、受験費用、教材費、通学費、一人暮らしの費用などは含まれていません。
満期保険金200万円でも全期間をまかなえるとは限らない
学資保険で200万円を準備できれば、入学金や初年度納付金の大部分に充てられる可能性があります。
しかし、2年目以降も授業料などの支払いは続きます。
また、私立理系、医歯系、芸術系への進学や一人暮らしをする場合は、必要額がさらに増える可能性があります。
学資保険は教育費の全額を準備する手段と決めつけず、入学時に確実に必要となる金額を準備する手段として活用する考え方があります。
進路を複数想定して試算する
教育資金を準備するときは、次のような複数のケースで試算しましょう。
- 国公立大学・自宅通学
- 国公立大学・一人暮らし
- 私立文系・自宅通学
- 私立文系・一人暮らし
- 私立理系・自宅通学
- 私立理系・一人暮らし
進路が決まっていない段階では、満額を保険だけで用意する必要はありません。
最低限確保したい金額を学資保険や預貯金で準備し、追加分を投資や家計収入、奨学金などで補う方法があります。
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奨学金の種類と仕組み
奨学金には、返済が不要な給付型と、卒業後に返還する貸与型があります。
「奨学金はすべて返さなければならない」「奨学金ならすべて返済不要」というわけではありません。
給付型奨学金
給付型奨学金は、原則として返済が不要です。
日本学生支援機構の給付奨学金では、世帯収入、資産、学業などの要件を満たす学生が対象になります。
給付額は、支援区分、自宅通学か自宅外通学か、国公立か私立かなどによって異なります。
給付型奨学金には、日本学生支援機構のほか、次のような制度があります。
- 地方自治体の給付型奨学金
- 大学独自の奨学金
- 民間財団の奨学金
- 企業が設ける奨学金
- 新聞奨学金など一定の業務を伴う制度
制度によっては、他の奨学金との併用が制限されている場合があります。
第一種奨学金
第一種奨学金は、無利子の貸与型奨学金です。
返還時に通常の利息は付きませんが、借りた元本を卒業後に返す必要があります。
第二種より家計基準や学力基準が厳しく設定される傾向があります。
第二種奨学金
第二種奨学金は、有利子の貸与型奨学金です。
在学中は原則として利息が付かず、貸与終了後に利息が発生します。
貸与月額や返還時の利率によって、毎月の返還額と返還総額が変わります。
利率には上限がありますが、申込時点で将来の適用利率を確定できるとは限りません。
入学時特別増額貸与奨学金
日本学生支援機構には、入学時の一時的な費用に対応する入学時特別増額貸与奨学金があります。
ただし、これは有利子の貸与型であり、利用条件があります。
また、奨学金の初回振込とあわせて交付されるため、大学へ入学金を支払う期限までに必ず受け取れるとは限りません。
入学金の支払いには、預貯金、学資保険、教育ローンなどによる立替えが必要になる場合があります。
貸与型奨学金が子どもに与える影響
貸与型奨学金は、教育を受ける機会を確保するために有効な制度です。
一方、卒業後は学生本人が返還するため、借入額を決める際には将来の収入や生活費も考える必要があります。
卒業直後から返還負担が生じる
貸与終了後は、原則として一定の据置期間を経て返還が始まります。
就職後は、家賃、食費、税金、社会保険料などに加えて、奨学金を返還します。
返還額が大きいと、次のような資金計画に影響する可能性があります。
- 一人暮らし
- 結婚
- 出産・子育て
- 住宅購入
- 自動車購入
- 老後資金の積立
月額だけでなく返還総額を確認する
第二種奨学金では、貸与額に加えて利息を返還します。
たとえば月10万円を4年間借りると、貸与総額は480万円です。
返還期間を20年とした場合、適用利率によって毎月の返還額と返還総額は大きく変わります。
日本学生支援機構が示す例では、利率0.5%の場合の返還月額は約2万1,000円、利率3.0%の場合は約2万6,900円です。
申込時には、必ず奨学金貸与・返還シミュレーションを利用し、複数の利率で返還額を確認しましょう。
必要以上に借りない
利用可能な上限額まで借りるのではなく、不足する金額を計算して借入額を決めます。
基本的な考え方は次のとおりです。
進学に必要な総額-学資保険-預貯金-給付型支援-在学中に家計から支払える金額=不足額
算出した不足額を基準に、貸与型奨学金や教育ローンの必要額を検討します。
返還が難しい場合の制度を確認する
収入減少、失業、病気などによって返還が難しくなった場合は、返還期限猶予や減額返還などを申請できる場合があります。
返還が難しいからといって放置せず、早めに日本学生支援機構へ相談することが重要です。
所得連動返還方式もある
第一種奨学金などでは、卒業後の所得に応じて返還月額を決める所得連動返還方式を選択できる場合があります。
収入が低い時期の返還負担を抑えやすい一方、返還期間が長くなる可能性があります。
定額返還方式との違いを確認して選びましょう。
給付型奨学金と高等教育の修学支援新制度
高等教育の修学支援新制度は、一定の要件を満たす学生を対象に、給付型奨学金と授業料・入学金の減免を行う制度です。
対象となるには、家計だけでなく、学業、資産、進学先などの要件を満たす必要があります。
支援内容
主な支援は次の2つです。
- 日本学生支援機構による給付型奨学金
- 大学・短期大学・高等専門学校・専門学校の授業料・入学金の減免
対象となるのは、国または自治体の確認を受けた学校です。
すべての大学・専門学校が対象とは限らないため、志望校が確認大学等に該当するかを調べましょう。
主な審査項目
- 世帯の所得
- 生計維持者と学生本人の資産
- 学業成績や学修意欲
- 扶養する子どもの人数
- 進学先が対象校か
支援区分は、世帯収入や家族構成などによって判定されます。
年収だけで一律に判断できるものではないため、日本学生支援機構の進学資金シミュレーターなどで確認しましょう。
多子世帯への支援
2025年度から、多子世帯に属する学生については、一定の要件を満たせば所得制限なく授業料・入学金の減免を受けられる制度へ拡充されています。
ただし、「子どもが3人いる家庭なら、すべての大学費用が無条件で無料になる」という制度ではありません。
次の点に注意が必要です。
- 扶養する子どもの数などで多子世帯かを判定する
- 学生本人が扶養から外れていると対象外になる場合がある
- 対象校への進学が必要
- 授業料・入学金の減免には上限がある
- 学業要件を満たす必要がある
- 給付奨学金が必ず支給されるとは限らない
所得が給付奨学金の支給区分を超える多子世帯では、授業料等減免の対象になっても、給付奨学金の支給月額が0円となる場合があります。
予約採用を確認する
高校在学中に申し込む予約採用では、在学している高校などを通じて手続きを行います。
申込時期は学校によって異なるため、高校3年生になってから調べ始めるのではなく、高校2年生のうちから制度を確認しておくと安心です。
予約採用の候補者になっても、進学後に進学届を提出しなければ奨学金は振り込まれません。
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学資保険、奨学金、NISAなどをどのように組み合わせるべきかは、家計やお子さまの進路によって異なります。必要な時期と金額に合わせた教育資金プランを、専門スタッフが一緒に検討します。
学資保険と奨学金を併用する方法
学資保険へ加入していても、奨学金へ申し込むことは可能です。
学資保険の受取金があることだけを理由に、貸与型奨学金を利用できなくなるわけではありません。
ただし、給付型奨学金などの家計基準では、所得や資産などが審査されます。具体的な判定方法は制度ごとに確認してください。
入学前費用を学資保険で準備する
大学入学前には、合格発表から短期間で入学金や前期授業料の支払いを求められることがあります。
奨学金の振込みは原則として進学後になるため、次の費用は学資保険や預貯金で準備しておくと安心です。
- 受験料
- 受験時の交通費・宿泊費
- 入学金
- 前期授業料
- 一人暮らしの初期費用
在学中の不足額を奨学金で補う
入学後に必要になる授業料、教材費、生活費などについて、家計から支払えない不足額を奨学金で補います。
たとえば、大学入学までに次の資金を準備できたとします。
- 学資保険:200万円
- 教育資金用の預貯金:150万円
- 合計:350万円
一方、大学卒業までに必要と見込む金額が600万円であれば、不足額は250万円です。
この不足額について、給付型奨学金、在学中の家計負担、貸与型奨学金などを組み合わせます。
併用例
| 資金の種類 | 準備額の例 | 主な用途 |
|---|---|---|
| 学資保険 | 200万円 | 入学金・初年度納付金 |
| 預貯金 | 150万円 | 受験費用・教材費・予備資金 |
| 在学中の家計負担 | 月3万円 | 毎月の生活費・通学費 |
| 貸与型奨学金 | 月3万~5万円 | 不足する授業料・生活費 |
奨学金の借入額は、利用可能な上限ではなく、実際の不足額から決めましょう。
給付型から優先して確認する
教育資金が不足する場合は、一般的に次の順番で制度を確認します。
- 給付型奨学金や授業料等減免
- 大学独自の特待生・奨学金制度
- 地方自治体や民間財団の給付型奨学金
- 無利子の第一種奨学金
- 有利子の第二種奨学金
- 保護者が借りる教育ローン
ただし、採用時期や併用制限が異なるため、早めに情報を集める必要があります。
奨学金を借りる前に親子で話し合う
貸与型奨学金は、原則として子ども本人が返還します。
申込み前に、少なくとも次の内容を親子で確認しましょう。
- 借入総額
- 想定する返還月額
- 返還期間
- 利息の有無
- 卒業後の希望職種と想定収入
- 保護者が返還を援助するか
- 返還が難しい場合に利用できる制度
学資保険・奨学金以外の教育資金準備
教育資金の準備方法は、学資保険と奨学金だけではありません。
必要になる時期、元本保証、収益性、引き出しやすさを考え、複数の方法を組み合わせます。
預貯金
普通預金や定期預金は、元本割れを避けながら教育資金を準備できます。
入学金のように、支払時期が決まっていて必ず必要になる資金は、預貯金で確保しておくと安心です。
一方、金利が低い場合は、物価上昇に対して資金の実質的な価値が目減りする可能性があります。
NISAを利用した積立投資
NISAを利用して投資信託などを積み立てる方法もあります。
運用益が非課税になる一方、投資元本は保証されません。
大学入学直前に相場が下落すると、必要な金額を確保できない可能性があります。
教育資金として利用する場合は、次の点に注意しましょう。
- 入学まで10年以上ある資金を中心に運用する
- 入学金など確実に必要な資金は預貯金で分ける
- 進学が近づいたら徐々に現金化する
- 特定の商品へ集中しすぎない
- 余裕資金の範囲で投資する
進学直前まで全額を投資し続けるのではなく、入学の3~5年前から段階的に預貯金へ移す方法があります。
未成年者向けNISA
2026年度税制改正では、NISAのつみたて投資枠について、口座開設可能年齢を0~17歳へ拡充する措置が盛り込まれています。
子どもが0~17歳の間は、年間投資枠60万円、非課税保有限度額600万円とする内容です。
制度開始時期、口座管理、払出し条件、金融機関の対応などは、実際に利用する時点で最新情報を確認してください。
子ども名義で投資する場合は、保護者から子どもへ資金を移すことになるため、贈与税の取扱いにも注意が必要です。
国の教育ローン
日本政策金融公庫の「国の教育ローン」は、主に保護者が借りる教育ローンです。
学生本人が借りる奨学金とは、返済義務を負う人が異なります。
融資限度額は、原則として子ども1人につき350万円で、一定の要件に該当する場合は450万円です。
奨学金との併用も可能です。
国の教育ローンは、合格前でも申込みを進められ、入学金などの進学前費用にも利用できます。
ただし、審査があり、希望額を必ず借りられるとは限りません。返済は保護者の家計から行うため、住宅ローンなど他の借入れも含めて返済可能額を確認しましょう。
民間金融機関の教育ローン
銀行や信用金庫なども教育ローンを提供しています。
借入上限、金利、保証料、返済期間、在学中の据置制度などが異なります。
金利だけでなく、次の金額を比較してください。
- 事務手数料
- 保証料
- 繰り上げ返済手数料
- 返済総額
- 在学中に支払う利息
児童手当の積立
児童手当を教育資金用の口座へ積み立てる方法があります。
現在の児童手当は、所得にかかわらず、高校生年代までが支給対象です。
第3子以降の加算もあるため、総受取額は子どもの生年月日、きょうだいの人数、扶養状況などによって異なります。
一律に「18年間で必ず200万円」とは限らないため、家庭ごとの支給見込額を確認しましょう。
児童手当を積み立てる場合は、生活費用の口座と分け、自動振替を設定すると管理しやすくなります。
教育資金の組み合わせ方
教育資金は、「確実に準備する資金」「増やすことを目指す資金」「不足時に借りる資金」に分けると整理しやすくなります。
| 役割 | 主な準備方法 | 注意点 |
|---|---|---|
| 確実に準備する | 預貯金・学資保険 | 途中解約やインフレの影響を確認する |
| 長期で増やす | NISAによる積立投資 | 元本保証がなく、進学前の現金化が必要 |
| 返済不要の支援を受ける | 給付型奨学金・授業料等減免 | 家計・資産・学業などの要件がある |
| 不足分を借りる | 貸与型奨学金・教育ローン | 返還者と返済総額を確認する |
確実に必要な資金を先に準備する
受験料、入学金、初年度前期の納付金などは、支払期限を延ばせない場合があります。
これらの資金は、相場変動のある投資ではなく、預貯金や満期時期を合わせた学資保険で確保する方法があります。
投資は不足しても進学に影響しない範囲で行う
将来の学費をすべてNISAで準備しようとすると、進学直前の相場下落に対応できない可能性があります。
最低限必要な金額を預貯金や保険で確保し、それを超える部分を投資へ回すと、リスクを分けやすくなります。
奨学金を最初から満額借りる前提にしない
貸与型奨学金は、進学機会を確保する重要な制度です。
一方、返還は子どもの将来の家計に影響します。
給付型支援や親の準備資金を確認した後、実際に不足する金額だけを借りることが大切です。
保護者の老後資金を使い切らない
子どもの教育費を優先するあまり、保護者の老後資金を使い切ると、将来子どもへ別の負担をかける可能性があります。
教育費と老後資金は分けて管理し、どこまで保護者が負担するかをあらかじめ決めておきましょう。
\ 教育資金の準備方法、プロに相談しませんか? /
学資保険、奨学金、NISAなどをどのように組み合わせるべきかは、家計やお子さまの進路によって異なります。必要な時期と金額に合わせた教育資金プランを、専門スタッフが一緒に検討します。
教育資金を準備するためのチェックリスト
学資保険や奨学金を検討する前に、次の項目を整理しましょう。
- 子どもの現在の年齢
- 大学入学までの年数
- 想定する進学先
- 自宅通学か一人暮らしか
- 大学入学時に確保したい金額
- 現在の教育資金残高
- 毎月積み立てられる金額
- 児童手当の積立状況
- 学資保険の満期金と受取時期
- 保護者の死亡保障
- 給付型奨学金の対象になる可能性
- 多子世帯支援の対象になる可能性
- 貸与型奨学金の想定返還額
- 教育ローンを利用した場合の返済額
- 保護者の老後資金への影響
教育費のシミュレーションは一度作って終わりではありません。
子どもの進路希望、学費、家計収入、制度改正などに合わせて、少なくとも数年に一度は見直しましょう。
まとめ
学資保険は、保護者が子どもの進学前から保険料を積み立て、所定の時期に祝い金や満期保険金を受け取る保険です。
一方、奨学金は、進学する学生本人へ資金を給付または貸与する制度です。
両者は次の点が異なります。
- 資金を準備する人
- 受け取る時期
- 利用条件
- 返済義務
- 保険機能の有無
学資保険へ加入していても、大学卒業までの費用をすべてまかなえるとは限りません。
大学進学では、入学金や授業料だけでなく、受験費用、教材費、通学費、一人暮らしの費用などが必要です。
学資保険は、入学金や初年度納付金など、進学時に確実に必要となる資金を準備する目的で活用できます。
学資保険の主なメリットは、計画的に積み立てやすいことと、契約者に万一のことがあった場合に保険料払込免除を受けられる場合があることです。
一方、途中解約では元本割れする可能性があり、物価や学費が上昇しても受取額が自動的に増えない点に注意が必要です。
奨学金には、返済不要の給付型、無利子の第一種、有利子の第二種があります。
給付型奨学金は返済不要ですが、家計、資産、学業、進学先などの要件を満たさなければなりません。
貸与型奨学金は、原則として子ども本人が卒業後に返還します。
借入額が大きいほど、就職後の生活、結婚、住宅購入などに影響する可能性があるため、必要以上に借りないことが重要です。
2025年度から、多子世帯に対する授業料・入学金の減免が拡充されています。
ただし、子どもが3人以上いれば無条件で教育費がすべて無料になる制度ではありません。また、授業料等減免の対象になっても、給付奨学金が支給されない場合があります。
日本学生支援機構の奨学金は、予約採用の候補者になっていても、原則として進学後に振込みが始まります。
合格後すぐに支払う入学金などは、学資保険、預貯金、教育ローンなどで別途準備しましょう。
学資保険と奨学金を併用する場合は、次のような役割分担が考えられます。
- 学資保険・預貯金:受験費用、入学金、初年度納付金
- 給付型奨学金:授業料や生活費の負担軽減
- 貸与型奨学金:在学中に不足する費用
- NISA:入学まで時間がある資金の長期運用
- 教育ローン:入学前を含む一時的な資金不足
NISAを教育資金に利用する場合は、元本保証がないことに注意してください。
大学入学が近づいたら段階的に現金化し、入学直前の相場下落で必要資金が不足しないようにします。
国の教育ローンは保護者が借りる制度で、学生本人が借りる奨学金とは返済義務を負う人が異なります。
教育資金を準備するときは、学資保険と奨学金のどちらか一方に決めるのではなく、必要な時期と目的に応じて複数の方法を組み合わせることが重要です。
最低限必要な資金は預貯金や学資保険で確保し、長期資金の一部をNISAで運用し、それでも不足する部分について給付型・貸与型奨学金や教育ローンを検討しましょう。
「学資保険でいくら準備すべきかわからない」「奨学金をどの程度借りればよいか判断できない」という場合は、家計、進路、現在の貯蓄、保護者の老後資金まで含めてシミュレーションすることが大切です。