高血圧でも入れる保険はある?加入の目安と選び方、告知の注意点を解説
健康診断で血圧を指摘された、降圧剤を飲んでいる。こうした状況で保険を検討すると、自分は加入できるのだろうかという不安が先に立ちます。
高血圧は日本でもっとも患者数の多い生活習慣病のひとつで、20歳以上のおよそ2人に1人が該当するとされています。それだけ多くの人が同じ疑問を抱えているということです。
結論から言えば、高血圧だから入れないと決まっているわけではありません。この記事では、審査で見られる要素、付く可能性のある条件、選択肢になる商品、そして告知の注意点までを整理します。
| 確認したいポイント | 結論 | 詳細 |
|---|---|---|
| 高血圧でも保険に入れる? | 数値が安定していれば可能性あり | 服薬していても血圧がコントロールできていれば、通常の保険に入れることがあります。 |
| 何を基準に判断される? | 血圧値と合併症の有無 | 直近の血圧値、服薬の状況、他の検査値や合併症の有無を総合して判断されます。 |
| 条件が付くとどうなる? | 割増・不担保・削減の3つ | 保険料が上乗せされる、特定の部位や疾病が対象外になるといった形になります。 |
| 断られたらどうする? | 緩和型や数値改善で再挑戦 | 引受基準緩和型を検討するほか、血圧を改善してから再度申し込む方法もあります。 |
この記事でわかること
- 高血圧の基準と、保険会社が審査で慎重になる理由
- 加入の可否を左右する4つの要素と、数値の目安の考え方
- 特別保険料・部位不担保・保険金削減という3つの条件の中身
- 通常の保険、引受基準緩和型、無選択型を検討する順番
- 告知で用意しておくべき資料と、断られたあとに取れる手段
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高血圧でも保険に加入できるのか
まず押さえておきたいのは、高血圧という診断そのものが加入を不可能にするわけではないという点です。実際、降圧剤を服用しながら通常の保険に加入している人は数多くいます。
判断の分かれ目になるのは、血圧の数値がどの程度で、それがコントロールできているかという点です。
ここでは前提となる基準と、保険会社の見方を整理します。
高血圧の基準
日本高血圧学会が2025年8月に発行した高血圧管理・治療ガイドライン2025では、診断基準は診察室血圧140/90mmHg以上、家庭血圧135/85mmHg以上とされ、これまでと変わっていません。
一方で降圧目標は改訂され、年齢や合併症の有無にかかわらず、原則として診察室血圧130/80mmHg未満、家庭血圧125/75mmHg未満に統一されました。
診断の基準と、治療で目指す目標値は別のものです。健康診断で指摘された数値がどちらに当たるのかを、まず確認してください。
保険会社が慎重になる理由
高血圧そのものに自覚症状はほとんどありません。それでも審査で重視されるのは、放置すると脳卒中や心筋梗塞、腎機能の低下といった合併症につながるからです。
厚生労働省のe-ヘルスネットでも、高血圧は喫煙と並んで日本人の生活習慣病死亡に最も大きく影響する要因とされています。もし完全に予防できれば、年間10万人以上の死亡を防げると推計されています。
保険は加入者全体で公平に負担を分け合う仕組みのため、給付を受ける可能性が高い人を無条件で引き受けると成り立ちません。高血圧が審査の対象になるのは、この理由によるものです。
服薬していることは不利にならない
誤解されやすいのが、薬を飲んでいると加入できないのではないかという点です。実際には逆で、服薬によって血圧が安定していることは、審査でプラスに働く場合があります。
治療せずに数値が高いまま放置している状態のほうが、リスクは高いと評価されます。指摘を受けたまま受診していないという人は、まず医療機関を受診してください。
薬を飲んでいることを隠すと告知義務違反になります。正直に伝えたうえで、引き受けてもらえる商品を探すほうが確実です。
加入の可否を左右する要素
審査では血圧の数値だけを見るわけではありません。複数の要素を組み合わせて総合的に判断されるのが実際のところです。
見られる主な4つを整理します。
直近の血圧の数値
もっとも重視されるのが、直近の健康診断や通院時に測定された血圧値です。数値が高いほど審査は厳しくなります。
一般的には、収縮期血圧が140mmHgを大きく超えていない範囲であれば、通常の保険でも引き受けの可能性があります。160mmHgや180mmHgを超える水準になると、引受が難しくなる傾向があります。
ただし具体的な基準は保険会社ごとに設定されており、公表されていません。1社の結果で全体を判断しないことが大切です。
コントロールできているかどうか
服薬の有無そのものより、治療によって数値が安定しているかが見られます。通院を継続し、目標範囲に収まっているなら評価は良くなります。
逆に、薬を飲んでいても数値が下がっていない、通院が途切れているといった状況では、判断が厳しくなります。
家庭で血圧を測って記録している場合、その記録が判断材料になることもあります。診察室では緊張で高く出る白衣高血圧の可能性もあるためです。
合併症の有無
糖尿病、脂質異常症、腎臓の病気、心疾患、脳血管疾患などを併発しているかは、大きな判断材料になります。高血圧単独よりリスクが高く評価されるためです。
過去に脳梗塞や心筋梗塞を起こしている場合、通常の保険への加入はかなり難しくなります。この場合は引受基準緩和型が現実的な選択肢になります。
健康診断で他の項目も指摘されているなら、その内容もあわせて確認しておいてください。
年齢や体格などの要素
年齢が上がるほど血圧は高くなりやすいため、同じ数値でも年代によって評価が変わることがあります。60代で140mmHg台であることと、30代で同じ数値であることは意味が異なります。
身長と体重の関係、いわゆるBMIも見られます。肥満をともなう高血圧は、リスクが重なると評価されやすくなります。
喫煙の有無も影響します。非喫煙者向けの割引が用意されている商品では、条件を満たせば保険料を抑えられることもあります。
保険の種類によっても基準は変わる
同じ人が申し込んでも、商品の種類によって審査の結果が変わることがあります。保障する内容が違えば、リスクの評価も変わるためです。
高血圧は脳血管疾患や心疾患との関係が強いため、死亡保険では慎重に判断されやすくなります。一方でがん保険は、高血圧との関連が薄いことから比較的通りやすいとされています。
医療保険はその中間で、商品ごとの差が大きい領域です。目的に応じて申し込む商品を選ぶことで、加入できる可能性が上がります。
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加入時に付く可能性のある条件
審査の結果は、無条件で加入、条件付きで加入、引受不可の3つに分かれます。条件付きは、通常とは異なる形で引き受けるという意味です。
高血圧の場合に付きやすい条件を3つ挙げます。
特別保険料
保険料を通常より高く設定することで引き受ける条件です。割増保険料と呼ばれることもあります。高血圧では、この形での引受がもっとも多くなります。
保障の内容は制限されないため、高血圧が原因の病気でも給付の対象になります。その代わり月々の負担は重くなります。
割増の程度は健康状態の評価によって変わります。数値が改善すれば、後から条件の見直しを申し出られる商品もあります。
特定部位不担保と特定疾病不担保
身体の特定の部位や、特定の病気について、一定期間または保険期間を通じて保障の対象から外すという条件です。
高血圧の場合、循環器系や脳血管疾患が対象になることがあります。備えたい部分がまさに対象外になる可能性があるため、内容をよく確認してください。
期間が限定されているなら、それを過ぎれば通常どおり保障されます。保険期間を通じて不担保となる場合は、その契約で何に備えられるのかを整理してから判断してください。
保険金削減
契約から一定期間内に支払事由が発生した場合、保険金や給付金が本来の金額より減額されるという条件です。
加入1年目は50パーセント、2年目は70パーセントというように、年数の経過とともに割合が上がっていく形が一般的です。削減期間を過ぎれば満額が支払われます。
当面の保障が薄くなる点を受け入れられるかどうかが、判断の分かれ目になります。
条件を提示されたときの考え方
条件が付いた場合、承諾して契約するか、断って別の選択肢を探すかを選べます。承諾しなければ契約は成立しません。
判断の軸は、その条件でも備えたいリスクをカバーできるかどうかです。死亡保障が目的なら、割増保険料を払ってでも必要な保障額を確保する意味があります。
循環器系が不担保になるなら、高血圧に関連する病気には備えられません。その場合は次に説明する別のタイプを検討することになります。
選択肢になる保険の種類
持病がある人向けの商品は複数あります。入りやすい商品ほど保険料は高くなるため、検討する順番を意識してください。
順番を間違えると、必要以上の保険料を払い続けることになりかねません。
まずは通常の保険から
最初に試すべきなのは、告知が必要な通常の医療保険や生命保険です。保険料がもっとも安く、保障内容も充実しています。
血圧が140mmHg台で安定している、服薬でコントロールできている、合併症がないという状況であれば、無条件または軽い条件で引き受けてもらえる可能性があります。
最初から緩和型を選ぶと、入れたはずの通常の保険を見逃すことになります。まず申し込んでみる価値があります。
引受基準緩和型
告知項目が3つから5つ程度に絞られた商品です。過去3か月以内に医師から入院や手術をすすめられたか、過去2年以内に入院や手術をしたかといった質問に該当しなければ加入できます。
多くの商品では、高血圧で通院しているだけであれば告知項目に該当しません。特定部位不担保も付かないため、高血圧に関連する病気も保障の対象になります。
一方で保険料は通常の商品より割高で、契約から1年間は給付金が半額になる商品もあります。条件を確認したうえで判断してください。
無選択型
告知や医師の診査なしで加入できる商品です。緩和型でも難しい場合の最後の選択肢になります。
保険料はもっとも高く、保障額の上限も低めに設定されています。契約から一定期間内は、病気による給付が制限される商品もあります。
同じ保険料を貯蓄に回したほうが合理的なケースもあるため、契約前に総支払額と受け取れる金額を比べてください。
共済も比べてみる
都道府県民共済やこくみん共済も、告知内容が比較的シンプルです。掛金が一定で分かりやすく、割戻金が戻ってくる点が特徴です。
ただし加入時の健康状態に関する条件はあり、必ず入れるわけではありません。一定の年齢を境に保障が段階的に縮小する設計が多い点にも注意してください。
保険料の安さだけで決めず、何歳までどの程度の保障が続くのかを確認したうえで比べてください。
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告知で気をつけること
加入したい気持ちから、血圧の指摘を書かずに申し込みたくなるかもしれません。しかしこれは告知義務違反にあたり、結果的に大きな不利益を招きます。
押さえておきたい点を整理します。
何を聞かれるのか
一般的な告知書では、過去3か月以内の医師の診察や投薬、過去5年以内の入院や手術、過去2年以内の健康診断での指摘などが問われます。
高血圧で通院や服薬をしていれば、これらに該当します。該当した場合は、病名、診断された時期、薬の名前、直近の血圧値、通院の頻度などを詳しく書くことになります。
健康診断で指摘されただけで受診していない場合も、指摘があった事実は告知の対象です。
健康診断の結果を用意しておく
告知の際は、直近の健康診断の結果を手元に置いて記入するとスムーズです。血圧値だけでなく、血糖値やコレステロール値なども記載されています。
記憶に頼って書くと、実際の数値とずれてしまうことがあります。書類の提出を求められる場合もあるため、正確な数値を写して記入してください。
家庭で血圧を記録しているなら、その記録も判断材料として使える場合があります。
告知義務違反の影響
告知すべき内容を伝えなかったり、事実と異なる内容を書いたりすると、契約が解除され、給付金が支払われないことがあります。
保険会社は給付金の請求があったときに医療機関へ照会して事実を確認します。処方の記録から、服薬の状況は把握されると考えてください。
なお、営業担当者や代理店の担当者に口頭で伝えても告知したことにはなりません。必ず告知書に記載する必要があります。
加入した後に高血圧になった場合
すでに保険に加入している状態で高血圧と診断された場合は、契約はそのまま継続され、保障の内容も変わりません。保険料が上がったり、条件が付いたりすることはありません。
診断されたことを保険会社に報告する義務もありません。入院や手術をすれば、通常どおり給付金を請求できます。
ただし、その契約に特約を追加したり保障額を増額したりする場合は、その時点で改めて告知が必要になります。いま入っている保険を安易に解約しないことが大切です。
加入しやすくするためにできること
今の数値では難しいと言われた場合でも、状況が変われば結果が変わる可能性があります。高血圧は改善が見込める病気だからです。
取れる手段を3つ挙げます。
数値を改善してから再挑戦する
血圧が下がって安定すれば、審査の評価は変わります。半年から1年ほど治療を続けて数値が改善した段階で、改めて申し込むという方法があります。
一度断られても、同じ会社に再度申し込むことはできます。断られた記録が残って永久に加入できなくなるということはありません。
その間の保障が心配であれば、緩和型でいったん備えておき、数値が改善してから通常の保険に切り替えるという進め方も考えられます。
生活習慣の見直しに取り組む
日本高血圧学会は、減塩に加えて、野菜や果物からのカリウム摂取、適正体重の維持、運動、節酒、禁煙を生活習慣の改善策として挙げています。
家庭で血圧を測る習慣をつけることも推奨されています。上腕式の血圧計を使い、朝と夜に測って記録すると、治療の効果が把握しやすくなります。
具体的な目標値や取り組み方は、体調や合併症の有無によって変わります。必ず主治医の指示に従って進めてください。
複数の会社に相談する
引受の基準は保険会社ごとに異なります。1社で断られても、別の会社では条件付きで引き受けてもらえることがあります。
複数社を扱う代理店に相談すれば、どこなら可能性があるかを一度に確認できます。1社ずつ申し込みを繰り返すより効率的です。
同じ会社でも商品によって基準が違うこともあります。医療保険は難しくても死亡保険なら通る、といったケースもあります。
| 断られた経験があっても、可能性は残っています 会社ごとに基準が違うため、1社の結果で判断する必要はありません。数値の改善状況もあわせて確認し、次に取るべき手を一緒に考えます。 >> 保険のプロに無料で相談する |
治療費と公的制度、住宅ローンの扱い
保険に入れるかどうかと同じくらい大切なのが、実際にかかる費用と、公的制度でどこまで賄えるかという点です。
あわせて、住宅ローンへの影響も確認しておきましょう。
治療費の目安と高額療養費制度
降圧剤による治療は公的医療保険の対象で、窓口負担は原則3割です。月々の薬代と診察料を合わせて数千円程度という人が多くなります。
問題になるのは合併症を起こした場合です。脳卒中や心疾患で入院すれば、1か月の医療費はまとまった金額になります。ここで高額療養費制度が役立ちます。
ただし差額ベッド代や食事代は対象外です。生命保険文化センターの2025年度の調査では、直近の入院時の自己負担費用は平均18万7,000円となっています。
出典:公益財団法人 生命保険文化センター「入院費用(自己負担額)はどれくらい?」
医療費控除も活用できる
1年間に支払った医療費が一定額を超えると、確定申告で医療費控除を受けられます。世帯で合算でき、通院の交通費も対象になる場合があります。
高血圧の治療は長期にわたるため、他の家族の医療費と合わせると控除の対象になることがあります。領収書は保管しておいてください。
保険から給付金を受け取った場合は、その分を医療費から差し引いて計算します。
住宅ローンと団体信用生命保険
多くの金融機関では、団体信用生命保険への加入が住宅ローンの条件になっています。団信も生命保険の一種なので、健康状態の告知が必要です。
血圧の数値によっては通常の団信に加入できないことがあります。その場合、引受基準を緩和したワイド団信を扱っている金融機関を探すという方法があります。金利が0.2パーセントから0.3パーセント程度上乗せされるのが一般的です。
フラット35のように団信への加入が任意のローンもあります。なお、この記事の内容は一般的な取り扱いを整理したものです。治療については主治医に、個別の契約については保険会社に確認してください。
まとめ
高血圧と診断されても、保険に入れないと決まったわけではありません。血圧が安定していて合併症がなければ、通常の保険に加入できる可能性は十分にあります。
審査で見られるのは、直近の血圧値、治療によってコントロールできているか、合併症の有無、年齢や体格といった要素です。服薬していること自体は不利になりません。
条件が付く場合は、特別保険料、部位や疾病の不担保、保険金削減のいずれかです。検討の順番は、通常の保険、引受基準緩和型、無選択型の順で進めてください。
断られた場合も、数値を改善してから再挑戦する、別の会社に相談するという手が残っています。告知は正確に行ったうえで、引き受けてもらえる商品を探していきましょう。
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